森埜こみちさんがすてきなファンタジーをだされました。
表紙もすてきですね。
わたしは児童書を書き始めた頃、ファンタジーがすきで、安房直子さん、柏葉幸子さんなどのファンタジーをたくさん読みました。
そのころ、今よりもファンタジーがたくさんでていて、その後のハリポッター以後のファンタジーブームにつづきます。
この『銀樹』というのは、そのころ、ファンタジーを読んで満たされた気持ちなったことを思いだすような作品でした。
シンという主人公の命をたすけた『銀樹』。小さな木でたくさんの人にはわけることはできません。
なので、薬師は秘密にして、よっぽどのときだけ用いていました。
しかし、その薬効がしれることになり……。
分かち合うことと、守ることは、両立できるのか。なかなか重たいテーマがかくされています。
きっと、作者は自然とか木が好きなのだろうと推測しました。自然に対する愛情が深い描写がそこここにあり、読みながら森林浴をしていうような気分になれます。
最後に小さな希望が書かれていて、そのさりげなさがとてもよく、うまいなぁと感心させられました。
森埜さんとはわたしは俳句仲間。森埜さんは俳句も個性的でおじょうずです。
明日はその俳句の会のオンライン句会の日です。