火星への道

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三位一体!

2011-02-11 19:26:20 | Weblog
2月9日のMarsTodayに質量分析計(Mass spectrometry)を火星探査機のロボットアームに直接取り付けて岩石などのサンプルを分析する技術が紹介されてます。
質量分析計とレーザーとイオン漏斗の組み合わせで、サンプルの前処理なしに分析可能とのこと。
詳細は、the journal Planetary and Space Scienceに載っています。
NASAのJPL(Jet Propulsion Laboratory)のPaul Johnsonさんたちの論文です。

通常、質量分析計でサンプルを分析する場合、下記の様な工程をする必要があります。

岩などを砕いて→ローバーのサンプル室に運び→更に砕いたり分離して必要な量に分け→高熱で熱して→発生したガスなどを分析する

更に質量分析計は、減圧容器内で扱う必要があります。

ところが、質量分析計とレーザーとイオン漏斗の組み合わせであれば、ロボットアームに取り付けて手当たりしだい分析が可能になるというわけです。
測定したい岩石などの表面をレーザーで焼いて、発生したガスなどをイオン漏斗を通して質量分析計で計るということです。
これは、火星だから出来ることでもあります。
なぜなら、火星には大気があるにしても大変薄く5torr(5mmHg)の気圧しかないため、質量分析計が露出していても大丈夫ということです。
これで生命探査の効率が格段と良くなります。

このアイデアは、Energy's Pacific Northwest National LaboratoryのKeqi TangさんとDick Smithさんたちの発明が寄与しています。

こちらこちらも参考になります。

質量分析計は、1970年にVikingで初めて使われました。また、MSL(Mars Science Laboratory)にも改良されたものが搭載されています。
今回の発明は、MSLには間に合わないようですね。残念!
でも、サンプルリターンの計画もあるので、質の良いサンプルの選定にも役立つことを期待してます。

コメント
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