火星への道

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Sol43 道半ば

2012-09-20 21:38:34 | MSL

Sol43までの移動ルートです。Glenelgまで半分ほどの地点ですね。
総移動距離が290mとなりました。

Sol43でCuriosityが止まった2.5m先に下図の石があります。
高さ 約25cm、幅 約40cmです。
ローバーチームは、Curiosityの接触機器の最初のターゲットとすることに決めました。
接触機器とは、MAHLIとAPXSですね。
さっそく石に「Jake Matijevic」 という名前が付けられています。
Jacob Matijevicさんを追悼してのものですね。Jacob Matijevicさんは、2012年に亡くなっているようです。
Jacob Matijevic:MSLプロジェクトおよびCuriosityの地表オペレーション・システム技師長でした。更にSojourner、 Spirit、 Opportunity等の主要なエンジニアでした。

下図は、最初の目的地であるGlenelgを100mmのMastCam(M-100)で撮影したものです。
3つのタイプの地表の一つで、よく発達した層状の明るい色調をしています。
これは、恐らく沈殿物が堆積した記録を示すでしょう。このエリアには、全体に幅1m程度の黒い帯状のものがあります。
この場所は、重要な化学目標です。

下図は、34mmのMastCamで撮影したものに上記の画像を合成したものです。

下図は、Sol37(2012年9月13日)に太陽面を通るPhobosの画像です。
左が34mmのMastCam(M-34)で、右が100mmのMastCam(M-100)で撮影したものです。
左と右の画像とで18.37秒の時間差があります。

下図は、M-100の256画像によって作成されました。
Phobosの通過によって太陽光の約5パーセントが遮られました。
また、REMSでも観測が行われ、紫外線が約5%遮られたことが確認されました。
科学者は、火星の月の軌道の要素を正確に決定する為に、これらの機会を利用します。
また、Opportunityが火星の反対側Meridiani PlanumでPhobos と Deimosの通過を観察する予定です。

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必ず有機物を見つけ出す

2012-09-20 08:42:28 | MSL

Astrobiology Magazineに9月13日付けでChris McKayさんのインタビュー記事が載っていました。
McKayさんは、CuriosityのChemCamチームの1員であると共にSAMチームの1員でもあります。
(the Mars Societyとも関わりがあります。)
このインタビューで、McKay さんは、Curiosityのこの2つの機器の使用について説明しています。
彼は、ChemCamのレーザーをどこに向けるべきかを決める支援をします。
そして、SAMで分析するべきサンプルを選ぶわけです。
また、SAMによる有機分析結果と過ってのVikingが測定した結果及び地球上の砂漠で彼が見つけたものと比較する支援をします。
Curiosityは、途中でいろいろ腕試しや調整をしながら最初の目標に向かって移動中です。
あと数週間または数ヶ月の内に火星の環境の調査や過って生命がいたかについての調査を本格的に始めるでしょう。


NASA Astrobiologist Chris McKay is part of the ChemCam team. Credit: NASA

Q:一般にどんな種類の科学を行いますか?
A:私の関心は、火星での有機物の捜索です。
私は火星の類似環境として地球で砂漠土中の有機的物質を探すことをやってきました。
火星の最良の類似環境であると私が思う2つの砂漠があります。
チリのアタカマ砂漠と南極大陸のドライバレーです。
チリのアタカマ砂漠は世界で最も乾燥した砂漠で、また、南極大陸のドライバレーは、最も寒い砂漠です。
火星は、非常に冷たく、非常に乾燥しているので、これら2ケ所は、火星類似環境として非常に適切です。

Q:地球上でのこれらの有機物の探索でどんな種類の結果を得ていますか?
A:私たちは、地球上のすべての砂漠の中で有機物を見つけています。どれほど、乾燥していても寒くても熱くても。
更に、私たちは、同じ土の中にオキシダントが存在するにもかかわらず、これらの有機物が存在することを知りました。
このことは、火星の土中にオキシダントがあったとしても有機物が存在できることを示唆します。
このことは、Curiosityが火星で土中に有機物を見つけることが出来るだろうと私が楽観視する1つの理由です。
私たちは、オキシダントが火星の表土にあることを知っています。
そして、多くの人々は、オキシダントが有機物を破壊しただろうと考えました。
しかし、私たちが地球で発見したことは、乾燥土壌でオキシダントは、有機物をを破壊していないということです。

Q:MSLでは、具体的に何を行いますか?
A:私は、ChemCamチームの1員であると共にSAMチームの1員です。
SAMチームとChemCamチームで私は、データの分析をします。そして、今後どのような実験及び測定を行うべきか議論します。
私は科学的な分析に関係しますが、機器の技術あるいは校正に関係しません;私は、結果の科学的な分析に関係します。
私が関係する1つのものは、例えばSAM分析の結果を何年も前に火星上でVikingによって測定されたもの、および私たちが地球上の砂漠で測定しているものと比較することです。
ChemCamでは、私の関心の1つは、SAMによる有機分析用のサンプルを選ぶためにChemCamレーザーを如何に使用するかです。
私は、2つの機器の間のリンクです。
私は、SAMの機器すべてに関係します。しかし、私の本当の焦点は、土中の有機分析です。
SAMは多くの異なることをします。私は、わずかにそれらのすべてに関係しますが、本当の焦点と興味は土中の有機物です。

ChemCamで、私たちが何を行うか確定はしていません。
ChemCamの一般的なゴールのうちの1つは、Curiosityの他の機器による分析の為のサンプルを選ぶことです。
その点では、私は、SAMのサンプルを選ぶために私たちがどのようにChemCamを利用することができるか考えようとしています。
私たちは、私たちがChemCamからより多くのデータを得て、SAMからより多くのデータを得るための方法を習得するつもりです。
現在は、ChemCamを使用して、SAMのサンプルを如何に選ぶかの学習過程であると思います。

SAMは、まさに1立方センチメートル、あるいはそれより少ないサンプル量で足ります。私たちは多くの泥や岩を必要としません。
この時点で、私たちは、最初の土サンプルを集める準備をしています。
したがって、Curiosityは、適切な土を捜していますが、私たちは、まだそれを集めていません。

Q:MSLであなたは、どのようにして宇宙生物学の質問に答えることができますか?
A:私たちが知りたいのは、火星での生命の可能性です。
第一歩は水の存在の決定です;私たちは既にそれを確認しました。
次のステップは、有機物を探索することです。そのことがMSLが焦点を合わせている目標です。

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