アラブ首長国連邦(UAE)が5月6日(ドバイ現地時間)に2020年に火星へ探査機を送り込む計画を発表しました。
発表は、Sheikh Mohammed bin Rashid Al Maktoum副大統領兼首相(ドバイ首長)が率いるhigh-level delegations同席のもとthe Emirates Mars Mission teamから発表されました。
また、The Emirates Mars Missionのサイトは、こちらです。
http://www.emiratesmarsmission.ae/mission-journey/
「概要」
・アラブ初の火星ミッションは、火星大気の総合的なモデルを作成します。
・火星探査機の名称は、「HOPE:希望」です。
・この探査機が、より良い未来を模索している何百万人もの若いアラブ人の希望となることを期待しています。
「スケジュール」
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2015年 予備的設計開始
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2016年 予備的設計発表
詳細設計開始
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2017年 詳細設計発表
組立とテスト実施
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2020年7月 打上
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2021年1Q 火星周回軌道到着
飛行期間:約200日間
周回軌道(22,000-44,000 km)
周回速度(1周55時間)
調査オペレーション開始
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2023年 追加調査オペレーション開始
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*2021年は、UAEの建国50周年だそうです。
探査機「HOPE」は、少なくとも2023年まで運用され、追加で2025年まで運用可能となっています。
そして1,000GB以上のデータが火星から送られて、UAEの研究チームによって解析されることでしょう。
また、世界中の200以上の研究機関にデーターがシェアされ、1,000人以上の研究者が利用することになるでしょう。
「このミッションへの期待」
このミッションは、100%アラブ首長国連邦チームによって計画され、アラブ首長国連邦(UAE)で管理されます。
そのことで、アラブの科学者と技術者の新しい世代の育成のための触媒となることでしょう。
更に、科学と宇宙分野の成長の支えとなるプロジェクトとして設計されています。
以上の理由から、Emirates Mars Missionは、地球上に大きな遺産を残すことでしょう。
*UAEは、自前のロケットは持っていないと思いますので、たぶん外部委託となるのではないでしょうか?
三菱重工が今年の3月にUAEからの衛星打ち上げを受注してますね。
http://www.mhi.co.jp/news/story/1503095625.html
*UAEの火星探査機の打上は、2020年と言うことなので、是非三菱重工(日本)に受注してほしいものです。
競争が厳しいと思われますが、受注のチャンスは、あるのではないでしょうか?
探査機の重量は、約1.5T(燃料込)ですので、HⅡAなら余裕ですね。
技術力と気配り、おもてなしで何とか頑張って!
*この件に関しては、寺薗さんが既に昨年8月28日付けの月探査情報ステーションブログで書かれています。
大変参考になりましたのでメモしておきます。(良いお仕事!ありがとう御座います。)
http://moonstation.jp/ja/blog/archives/1292
*2020年は、火星接近の年です。最接近は、10月6日で距離は、約6,207万kmとなります。