「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

一気呵成の図書館巡り

2013年06月13日 | 読書コーナー

昨日の12日(水)は梅雨の真っ最中なのに朝から雲一つない青空が広がる絶好の晴れ日和。こういう日を「梅雨の谷間」というのかな。

家に閉じこもっているのはもったいない気がしてきて馴染みの図書館巡りをしようと、朝食後、すぐに4か所の図書館から借りていた本をそれぞれバッグに入れて出発準備完了。

午前中にすべて済ませてしまうため、9時の開館を目安に家を飛び出したのが8時30分。自分の場合、借りる本を大きく分けると新聞の書評などでチェックしておいたものと、行き当たりばったりのざっとした立ち読みで面白そうと思ったものの2種類なので、それほど手間がかからず、およそ3時間程度みておけば十分のはず。

まずは、隣町のH図書館が最初で貸出限度いっぱいの5冊を借りた。

         

中山七里(以下、敬称略)の本が2冊。音楽ミステリーの著作が多く、「さよならドビュッシー」が第8回「このミステリーがすごい!」で、大賞を受賞し2010年にデビューした期待の新進作家。この本はミステリー好きの娘が「面白い」といって先日貸してくれた。

「切り裂きジャックの告白」(2013.4.30)は早くも「本年度ミステリー・ベスト1の呼び声が高い」との宣伝文句を記憶していたので、借りられてよかった。この図書館は来るたびにいつも話題作が手に入る穴場的存在で非常に重宝している。

「闇の奥」(:2010.4.10)は毎日新聞の書評で「これほど面白い小説はめったにない」と、あったので以前からチェックしておいた本。著者の辻原 登は1990年に芥川賞を受賞している。

逢坂 剛の「大迷走」(2013.3.30)は新刊で警察小説。

次に地元のB図書館へ足を延ばす。

            

このB図書館は新刊書に限っての貸出制限がないので、5冊すべてが“まっさら”で気持ちがいい。

「クラシックの愉しみ」(2013.3.10)は名指揮者、名歌手、名演奏家たちを31節に分けて記しているが、これまでの経験で音楽評論家と称する人と好みが一致することが滅多にないので参考資料として読む程度。ちなみに著者の「横溝亮一」は年期の入ったベテラン評論家だが、あの有名なミステリー作家「横溝正史」(「八墓村」などの著作がある)の長男である。

「内臓とこころ」(2013.3.20)は伝説的な名著とされているもので、このほど再刊されたばかり。著者の三木成夫(故人)は東大医学部卒の解剖学者。人体の不思議について専門家の薀蓄にしばし付き合うのも悪くはあるまい。

「月光蝶」~NCIS特別捜査官~(月原渉:2013.4.20)、「福家警部補の再訪」(2009.5)はともにミステリー。

「芥川賞物語」(2013.2.20)は、第1回から147回までの芥川賞にまつわる選考経過を詳しく綴ったもの。小説家志望にとって最高の勲章とされる「芥川賞」を受賞しながら、その後まったく鳴かず飛ばずの作家と、着実に話題作を出していく作家に分けられるようだが、どこがどう違うのかその一端でも分かると面白い。

このB図書館は駐車場がないので路上に車を停めたまま、バタバタと済ませて、次は一路南下して一番遠いO市の図書館へ。

            

ミステリ-が2冊、エッセイが1冊、学術系が2冊の計5冊。

「大いなる眠り」チャンドラーの名作でずっと昔に一度読んでいるが、村上春樹の新訳なので再読することにした。

「日本の選択」(2012.12)は重要な岐路に差し掛かってもこれまで先送りばかりしてきた日本が胸突き八丁で選択を迫られている課題にどう対応するか、例によって「池上彰」の歯切れのいい展開に期待。

「領土問題は強硬に?穏便に?」「これからの社会保障は高齢者重視?次世代重視?」「日本維新の会に投票する?しない?」といった具合。

「学力と階層」(2012.8)は教育の専門家が現代の教育が抱える課題に正面から取り組んだ本。

今や東大の合格者の大半がお金持ちの子弟というから、「本当に義務教育の機会は平等に保たれているのだろうか?」という視点がますます欠かせない。生まれてくる子供は親を選べないのだ。チャンスが平等に与えられない社会になると、犯罪などの社会不安は言うに及ばず、そのうちテロが起きますぞ!

「階層で学力が決まるのか、学力が階層をつくるのか」「学歴主義から学習資本主義社会へ」など、実例を交えて興味あるテーマが展開されていて、これから子育てする方や現在、真っ最中の親御さんは必読の書だろう。

次に向かったのが最終目的地の県立図書館。ここは10冊借りられるし、ネットで検索して借りられる本をある程度特定しているので、大本命の図書館である。

            

「臨床瑣(さ)談」「続 臨床瑣(さ)談」は、お医者さん(京大医学部卒)の「とっておきの健康法」が腹蔵なく綴られているという書評を読んでいたのでかねてから狙っていた本。

ざっと、例を二つほど挙げると次のとおり。

「朝早く目覚めてしまう人は、床に就くときに“今日は7時まで眠っていてもいいよ”と自分に告げるとよい。口に出して言っても、心の中でつぶやいてもいい。どちらが効くかは人によりけり。人には時刻の体内時計があることが最近分かっている。それに言い聞かせている。“していいよ”と許容をするのがミソだ。時刻の体内時計は気の毒に何時までに“起きなければならぬ”と命ぜられることしかされてこなかったはずだ」

「健康食品について私が使うのはプロポリスと乳酸菌と漢方薬だ。(この三つは具体的にメーカー名や薬の種類を挙げてある。)漢方薬の場合、体質に合うかどうかは診察で候補を3つぐらい絞って、後は患者の舌の上に少量乗せて、とても飲めたものではないか、それともほろ苦い中にもどこか甘味があって合うっていう感じがするかを訊く。これは官能試験という究極のテストだ。動物の味覚は食物の毒を見分け、薬になるものを選べる。我々にもその能力が多少残っている。」


とにかく、健康対策の本はいつも興味の的。熟読玩味して少しでも長生きし、「いい音楽をいい音」で聴く、そしてシステムに投資した資金を少しでも回収したような気分に浸らなければいけない(笑)。

他の8冊もそれぞれいわくつきの本ばかりで書きたいことは山ほどあるが、紙数も尽きた(?)ようなので、題名だけ挙げてこの辺で打ち切ろう。

「残夢整理」(多田富雄)、「渡りの足跡」(梨木香歩)、「縦に書け!」(石川九楊)、「雉猫心中」(井上荒野)、「仮釈放」(吉村昭)、「科学以前の心」(中谷宇吉郎著、福岡伸一編)、「戦後変革派・山田風太郎」(谷口基)、「父、断章」(辻原登)

とにかく、この日は近年稀にみる面白そうな本ばかり収穫できた日だったが、貸出期限の2週間以内に25冊全部読めるかどうかとなるとちょっぴり不安。

ま、少しぐらい遅れてもいっか!?

 


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