「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

テスト盤の種類はオーディオ・レベルの証し?

2013年06月09日 | 音楽談義

先日のこと、オーディオ仲間のKさんがいみじくも仰るのには「システムの一部をいじったり、真空管やアンプの交換をしたときには自分が気に入ったテスト盤を試聴しますが、どういう盤を使うかでその人のおおよそのレベルが分かりますね。」

レベル云々は別にして、テスト盤の種類はたしかにその人の好む音楽や音の傾向を推し量る重要な尺度の一つといえるだろう。

自分が現在使用しているテスト盤はわざわざ披露するほどの代物ではないが、仲間たちとの交流の中で新盤が増えたりと旧盤が消えていったりしてなかなか変化に富んでいるものの今のところ不動のメンバーとして愛用しているのが次のCD群。

☆ 「サキソフォン・コロッサス」(ソニー・ロリンズ)

言わずと知れたジャズの名盤。1曲目の「セント・トーマス」の厚みのあるシンバルの音がシステムの高音域のテストに持って来いなので、もう20年以上も愛用している。ビクターの「XRCD」盤は録音レベルがメチャ低いのでシステム泣かせのところがあり、改めて「DSDマスタリング」盤を買い直したが、それでもわずかに向上した程度。モノラル盤なので位相のチェックにも重宝している。

☆ 「日本歌曲集」(米良美一)

「日本歌曲」といえば鮫島有美子さんの歌唱が有名で、もはや定番と言ってもいい存在だが、3か月ほど前に知った米良美一さんのカウンターテナーの声の伸びは女性(ソプラノ)では出しきれないところがあってテスト盤にはもってこいの存在。「日本歌曲」は以前から好きで、14枚組の全集で島田祐子さんが唄った「花の街」や「芭蕉布」を愛聴してきたが、米良さんによって改めて「日本歌曲」の良さを見直した。また、歌唱のときの息遣いのリアルさも大切なテスト項目の一つとなっている。

☆ 「ワルキューレ」(ワーグナー作曲、ショルティ指揮)

ワーグナーといえばどっしりと大地に根を生やしたような低弦楽器のうねるような響きと大きなスケール感が出てこないと、鑑賞できない音楽といっていい。それに冒頭のティンパニーの連打は低音域の分解能を推し量るテスト項目のひとつ。システム泣かせの1枚でいまだにこのCDを聴くたびに悩まされている。

☆ 「ピアノ・ソナタ」(モーツァルト作曲、グールド演奏)

自分にとって最高の音楽とは何かと問われれば、「それはグールドが演奏するモーツァルトのピアノ・ソナタです」と即座に回答できるほど、いつも心の準備が出来ている。モーツァルトの天才とグールドの天才がぶつかり合った空前絶後の音楽はまったく他の演奏者を寄せ付けない。「システムの存在をすっかり忘れて、ただひたすら音楽に没入できるかどうか」がテスト盤としての存在意義だが、システムのテストをするのに、それを忘れられるかなんて何だかおかしな話(笑)。


☆ 「ヴァイオリン協奏曲」(モーツァルト作曲、パールマン演奏、レヴァイン指揮)

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲といえば、これまでグリュミオー(コリン・デーヴィス指揮)をずっと愛聴してきたが如何せん1961年のアナログ録音をデジタル化したものなので、録音が今一つだったが、4か月ほど前に購入した「モーツァルト全集」(55枚組)の中に収められたこの曲は演奏といい、録音といい非の打ちどころのないもので、今やすっかり愛聴盤のひとつになった。ヴァイオリンの音色がどのくらい艶やかに鳴ってくるかがテスト項目の一つ。

さて、オーディオの話だが昨日(8日)は少し思うところがあって朝起き抜けに「AXIOM80」システムの一部をいじってみた。

          

「AXIOM80」の上に乗せているJBL075ツィーター(画像左側)を、同じJBLのLE85に変更してみた。通常LE85はホーンを付けるとローカットの500ヘルツまで幅広い周波数を再生できるのだが、この場合はホーンを付けずに裸のままで鳴らして高音域の厚みを狙ってみた。ローカットするコンデンサーは数値0.075μF(マイクロファラッド)のマイカ・コンデンサー。

この値だと「クロスオーバーネットワーク早見表」により、(ローカットの値が)およそ26万ヘルツとなって人間の耳にはまったく聞こえない範囲だがきちんと音が聞えるのが不思議。結局、コンデンサーが単なるボリュームの役割を果しているに過ぎないのだろう。

「AXIOM80」との位相調整を目分量で大雑把に行ったうえで、「サキソフォン・コロッサス」を試聴してみた。LE85用のアンプ(2A3シングル)の電源スイッチをオン・オフしながら
 聴いてみると明らかにオンのときに高音域の厚みと華やかさが増しているのが分かった。

全体的な違和感もまったく感じられないのでひとまず成功。しばらくこれで聴いてみてオーディオ仲間にも判定してもらうことにしよう。


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