現役を引退してから「時間に縛られない生活がこれほどいいものか」と、毎日のように自由を満喫しているが惜しむらくは若い頃に比べて「感動する力」が弱ってきていることが心残り。
20~30代にかけて、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ32番」、モーツァルトのオペラ「魔笛」、そしてジネット・ヌヴ―が弾く「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」に涙したあの感動は今いずこ~。
その反動のように「好きな音で聴けば(あの感動が)少しは蘇るかもしれない」と、オーディオに邁進しているものの、所詮は音楽の僕であって、やはり限界を感じることが多々あり、ときどき虚しくなってしまう。
ところが・・。
まだ、音楽に感動する力というか、「命の泉」が涸れ果てることなく残っていたんですよねえ(笑)。
その思いを強くしてくれた曲目が、コルンゴルト作曲「歌劇 死の都」からアリア「私に残された幸せは~マリエッタの歌~」。ソプラノは「ルネ・フレミング」。
先日来「オペラ専門チャンネル」(ネット)をたびたび紹介しているが、好きな曲目になるとパソコンににじり寄って曲名と歌手を確認しており、その一環として発見したのがこの曲だった。
6分ほどのアリアだが聴けば聴くほど歌唱力といい、メロディーといい、もうゾッコンで、ウ~ンと思わず涙ぐむほどの感動ぶり。
何とかCDを手に入れたいなあ!
まずは「ルネ・フレミング」のCD一覧をネットで開陳させて、それらしきタイトルを探し回った結果、ようやく「歌劇 死の都」を突き止めた。
となると、話は早い。
ネットで注文して3日ほどで届いた。一番最後の「トラック16」に「死の都」が収録されている。
さっそく「ブルーレイ」に収納して「リピート」再生でおよそ2時間あまり耳を傾けた。曲目が6分ほどだから20回ぐらい連続して聴いたことになる。
屈託のない伸び伸びとしたソプラノがあたりを睥睨するかのように音響空間を漂いながらどこまでも気持ちよく広がっていく。
もう「たまらん」の一言で、フレミングって歌手はまったく盲点だったなあ~。
それにしても「歌劇 死の都」って、どれだけの人がご存知なのだろうか。改めてネットラジオの威力、そして設定してくれた「博士」に感謝です~。
「好きな音」に巡り合うことと「好きな音楽」に出会うこと、うれしさの点でどちらに軍配を上げるか、これは難しい質問だが「永続性」となると音楽でしょうかね。
12月の中旬ともなると、この1年を振り返ってそろそろ恒例の「ベスト10」を考えないといけないが、文句なく「ベスト1」はこの曲目の発掘で決まり。
さあ、となるともっと突き詰めたくなった。久しぶりに出会ったこの「心震える感動作品」をどのスピーカーが一番うまく再生できるかな。
「真空管アンプ転がし」は常習犯だが、「スピーカー転がし」となると極めて珍しい(笑)。
「スーパー10+サブウーファー」 → 「AXIOM80+サブウーファー」、そしていろいろと「紆余曲折」があったが、とうとう最後には・・。
以下、続く。
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