「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

二兎を追う者は一兎をも得ず

2022年12月22日 | オーディオ談義

前々回からの続きです。

およそ2か月ぶりに来ていただいたオーディオ仲間のYさんだが、例によってその間に我が家のスピーカーはかなりの変容を遂げている。

なにしろ7系統もあり、ああでもないこうでもないと弄り回していると、そもそも本人自体がはたして前よりも良くなったのかどうか計りかねるところがあって、一言でいえば「変化こそ良けれ」という「変化至上主義」に落ち込んでいるともいえるのかな~(笑)。

そういう中で、さして期待もせずにYさんに聴いていただいたのがJBLのシンプルな「2ウェイ・システム」。



いろいろと紆余曲折があってサブウーファーに使ってみたりしたが、最後にこのスタイルに落ち着いた。

ご覧のとおりボックスの板厚が4cmもあって(厚過ぎて)「箱鳴り」が期待できないのでイギリス系のユニットには向かないのがそもそもの発端。

背圧を逃がすバッフル下部の開口部に隙間の詰まったカバーを付けたところどうにか「音」が様になったのはありがたい。

改めて概要を記すと、JBL「D123」(口径30cm)をフルレンジで鳴らし、高音域を「075ツィーター」(およそ7000ヘルツ~)で補完するというもの。

なにしろ、我が家ではやや陰にこもったイギリス系の音ばかりなので、1台くらいスカッとした開放的な音があってもいいだろうという目論見。

ところが、この音がいたくYさんのお気に召した。

「久しぶりにJBLのこんなにいい音を聴きました! 高音域の抜けが素晴らしいです、ツィーターがよく利いてますねえ」と絶賛。

以下、筆者の好き嫌いを交えて「独断と偏見」に満ちた表現になるがどうかお気を悪くされる向きがありませんように・・。

現役時代と違って「忖度」はもう飽きましたのでね(笑)。

普通、JBLといえばネットワークを使っての3ウェイ構成が多いのだが、ネットワークを使うと各ユニット間の音の重なる帯域で干渉が起こりどうしても音が濁ってしまう。

人間の耳にとって敏感な帯域の「200~7000ヘルツ」あたりまではマグネットの違う異種のユニットを混ぜ合わせない方がいい。

ボーカルを聴くとその辺がよく分かる。

もちろん、ネットワークの代わりに急峻な「肩落ち」ができるチャンデバを使うという手もあるが、これがまた「TR素子っぽい音」になって、これに較べたらネットワークの方が ”まだまし” とさえ思う。

したがって我が家の基本形は、まずフルレンジで鳴らす、そして足りない周波数帯域があればその辺をコイル(低音用)やコンデンサー(高音用)の単体を使って付け足す、というシンプルな形になる。

今回のケースでは、音楽ソースによっては低音不足を感じたのでYさんが辞去された後になって、サブウーファーとしてウェストミンスター(70ヘルツ以下)を継ぎ足して、結局「D123」をサブウーファーとツイーターで挟み込むスタイルで決着。

ただし、なぜチャンデバを使わないのに3ウェイ・マルチ・チャンネルが出来るの?

種明かしをすると、プリアンプに3系統の出力が出来るように改造したおかげ。もちろん、総合的にプラス・マイナスがあるがこの場合はプラスが大きいと判断した。

問題は「D123」を駆動するアンプだが、あまりレンジが広すぎても両端のユニットに干渉しすぎると拙いので小出力の「71Aシングル1号機」でようやく落ち着いた。

とまあ、いいことずくめのようだが、このところお気に入りの「マリエッタの歌」(歌劇「死の都」)ばかりは、(このシステムだと)どうしても明るすぎて翳りが伝わってこないのが残念~。

音にも「光と影」があって音楽ソースに対して向き不向きがあるようで・・。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」なので、ま、いっか(笑)。

最後に、Yさんが辞去されるときに冗談っぽく「このクロック・システムをしばらく置いていきませんか」と、言ってみた。



すると「ああ、いいですよ~」と、あっさりしたご返事。ほんとに ”おおらかなタイプ” だなあ(笑)。

残念だけど置き場所が無いので、ご厚意だけありがたく受け止めながら、乗ってこられた電気自動車「SAKURA」(2022年 カーオブザイヤー 3冠)を見送った。



ちなみに、このクルマを購入後3か月になるがまだ1度も給油していないとのこと!



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