今夜のニュース番組で、オリンピックの東京招致団のプレゼンテーションが大変良かったという声がIOC委員の方々から聞かれました。たしかに、全体がひとつのストーリーとなって、しかも各プレゼンターが熱の伝わるプレゼンをされていました。
プレゼンといえばアメリカや欧州の国々の得意技という印象があります。なかでもアメリカは「国技」と言えるほど上手な人がたくさんいます。オバマ大統領や故スティーブ・ジョブズ、TEDに登壇してくるアメリカ人のプレゼンの巧さは、日本人が到底及ぶところではありません。
それでも東京招致団のプレゼンがIOC委員の心を掴んだのは、「一所懸命さ」が前面に出ていたからだと思います。
もちろん日本のプレゼンの、しっかりしたジェスチャやはっきりとした口調、熱意の伝わる態度は素晴らしいものがありましたが、プレゼンの「技巧面」から見ればやはり欧米のプレゼン・スターたちには及ばないことは明らかです。
見ての通り日本のチームにスティーブ・ジョブズはいませんでしたが、練習量とチームプレーで結果を出しました。
IOC委員は、あまり表現力が豊かではない日本人の熱弁に触れ、「(東京招致団は)きっとものすごく練習をしたんだろうなあ!」と思ったに違いありません。
「プレゼンテーション」は企業研修の中でも人気が高いコンテンツのひとつです。プレゼン講師の中にはアメリカのMBAや外資系企業でプレゼンの経験を積んだ方が多くいます。ビジネスにおいては、ロジカルでスマートなプレゼンはたしかに切れ味の良い武器です。
ただ、今回の東京招致団の努力を見て、プレゼンテーションとは武器ではなく、心を込めた言葉の贈り物(プレゼント)なのだと実感しました。
日本流のプレゼンテーションを学ぶ研修もこれからは大いに「あり」ですね!
(人材育成社)