ビジネスパーソンの教養といえば、経営学、歴史、英語といったあたりが定番でしょう。ところが最近はビジネス系の雑誌で経済学について解説する記事が目立つようになりました。
それはどうやらアベノミクスの影響のようです。アベノミクスは「安部(首相)のエコノミクス(経済学)」という造語です。安部首相についてはさておき、経済学に注目が集まる理由がわかります。
文部科学省「学校基本調査」(平成23年)によると、大学(学部)に通う学生数は約290万人、そのうちの34.2%は社会科学系の学部に所属しています。社会科学系で最も学生数が多いのは経済学部ですから、いわゆる文系の学生の多くは経済学を学んでいるはずです。
ところが、経済学部出身者に経済学のことを聞いても「なんだかよく分からない」という人が意外と多いことも事実です。工学部や理学部など理系学部は卒業するまでに実験や試験、発表などかなりのノルマが課せられますが、経済学部は極端に言ってしまえば、ほとんど勉強しなくても卒業できてしまいます。
私が講師を担当する財務の研修で、損益分岐点や正味現在価値などを説明してもすぐに理解できるのは経済学部ではなく理系学部出身者です。なにも難しい理論の話をしているわけでもないのに・・・思わず「どうした!経済学部」と叫びたくなります。
正直、企業研修を生業としている弊社にとってはかなり困った問題です。
経済学部の先生方、お願いですからもう少し鍛えてから卒業させてください。
(人材育成社)