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ティーチングなくしてコーチングなし!

2013年09月29日 | コンサルティング

ビジネスコーチの方は、ティーチング(教えること)の限界についてよく言及します。

「ティーチャーが持っているスキルや技術以上のレベルアップはなかなか望めません。ティーチングの手法だけを使っていると、クライアントは受け身(指示待ち)になってしまい、模範解答を欲しがる(依存する)ようになります。」

私は、この意見は間違っていると思います。

なぜなら、コーチングであっても相手(クライアント)は模範解答を求めるからです。

もしクライアントの求めをはぐらかすなら無責任ですし、クライアントの解答が明らかに間違っているときに何も指摘しなければビジネスパーソンとして失格です。

ティーチングは答えを与えますが、「傾聴と質問で正しい答えに導く」過程も重視します。この点ではコーチングの手法と基本的に同じです。

「コーチングはクライアントの中にある様々なリソース(資源)を引き出していきます。クライアントが自ら考えて行動するようになるためには、コーチングスキルが効果的です。」

全くその通りなのですが、コンテクストについての理解が欠けています。

クライアントは本当にコーチから何かを引き出して欲しいと思っているのでしょうか。

クライアント個人がコーチにお金を払ってコーチングを受ける場合は問題ありません。お互いのコンテクストを分かろうとするところから始めるからです。

昨日のブログにも書きましたが、職場では上司と部下はお互いのコンテクストを理解すること(分かり合えること)は難しいと思います。部下は上司を「コーチ」とは思わないでしょう。

お互いに分かり合えない、ということを前提にするならば、ティーチングこそ最も重要なスキルといえるのではないでしょうか。

(人材育成社)