先日、ある大手企業(業界No.1)の人事部長さんが書かれた管理職研修に関する記事を読んでいて「おや?」と思ったことがあります。
その方がおっしゃるには、「人材育成という表現は上から目線でおこがましい気がする。人は自ら成長するものだから、伸びやすい環境を作り、見守ることが最も大事」だそうです。
そして、その会社で行った幹部社員研修では、「社長を含む役員たちと次世代のエースとなる管理職十数名が軽井沢のホテルに泊まり込んで会社の将来について率直に話し合った。人材育成とはこうあるべき」とのこと。
しかし、同じような研修を中小企業でおこなっても上手くいかないと断言できます。
企業のトップ(社長)と平均的な従業員の能力の差は、大企業においてはそう大きくはありません。一方、中小企業では極端に大きな差があるのが普通です。
社員が1万人を超す大手企業なら、仮に明日社長が亡くなってもすぐに代わりの人材がその座につきます。ほとんど問題は生じないでしょう。
しかし、従業員が100名の企業でトップが急に亡くなったら・・・
ある中小企業の社長はこうおっしゃっています。
「うちみたいな小さな会社の人材育成は大手のまねはできない。ごく普通の人材を鍛えに鍛えてようやく使えるようになるんだ。」
「人材育成は小さな会社にとって死活問題だ。上から目線と言われようが、とにかく早く一人前になってくれないと困る。」
私も全くその通りだと思いました。
(人材育成社)