OJT(On the Job Training)とは人材育成の手段のひとつで、職場の上司や先輩が部下や後輩に仕事を通じて知識・技能・態度などを意図的、計画的、継続的に指導することです。
OJTはほとんどの企業で実施されており、新人の頃にOJTを経験された方も多いと思います。
「誰もが知っているOJT」ですが、正しい定義を分かっている人は意外と少ないようです。
特に「意図的、計画的、継続的に指導すること」がきちんと実践できていないと、トレーニングとしての効果は半減してしまいます。いや、この3点が押さえられていないものはOJTではないとさえ言えます。
問題は、組織の中で「意図、計画、継続」がどれだけ具体的に文書化されているかです。多くの企業では、OJTマニュアルがあっても内容が古かったり、抜けがあったりすることがよくあります。他のマニュアルと違って一度作ったら改訂されず、そのまま放置されてしまうことが多いからでしょう。
さて、私が新卒で入った会社でOJTを受けていた頃の話です。
その頃のOJTはまさには「師匠と弟子」という感じでした。
先輩の仕事を見てそれと同じことをする、上手く行かない、もう一度やる、少しできるようになる、もう一度やる・・・その繰り返しでした。習うより慣れろで、教える側にも、教えられる側にもマニュアルはありませんでした。
まさに次の「燃えよドラゴン」の一節のような感じです。
Don't think! Feeeel! (考えるな! 感じろぉぉぉ・・・!)※
今思えば合理的ではありませんでしたが、確かに「身に付いた」感はありました。
しかし、今ドラゴン流OJTを行うことは不可能です。
なぜなら、現代の職場にはブルース・リーのような高度な技を持ち、優れた指導ができる人材はほとんどいないからです。仮にいたとしても、そういう人は極めて忙しいのが普通です。
もしOJTトレーナーに指名されたら、自分一人で後輩を育てようなどと思ってはいけません。会社中の人を巻き込んで「寄ってたかって育てる」ためにできることを行うべきです。
※http://www.youtube.com/watch?v=2d5o8d1kitM
(人材育成社)