共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

国際音楽の日によせて 〜 ユーディ・メニューイン&ステファン・グラッペリ《タンゴ・ジェラシー》

2021年10月01日 16時48分35秒 | 音楽
台風16号は予報通り伊豆諸島沖から房総半島方面へと進んでいき、神奈川県でも朝から風雨が強くなりました。ただ、神奈川県では思ったほどには雨は強くはならず、むしろ吹き返しの風の方が懸念されるような状況でした。

さて、今日10月1日は『国際音楽の日』という記念日です。

1975年、カナダでユネスコの国際音楽評議会(IMC)による最初の世界音楽週間が開催されたのを機会に、当時のIMC会長だった



世界的ヴァイオリニストのユーディ・メニューイン(1916〜1999)によって、紛争の絶えない世界を憂い提唱されました。そして1977年、ブラチスラヴァで開かれたIMC総会でこの提案は正式に可決され、翌年からそれに賛同する世界各国で『国際音楽の日』を普及するための記念事業が開催されました。

1994年11月25日、日本では「音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律」が制定されました。その中で、音楽を通じた国際相互理解の促進に資する活動が行われるように10月1日が『国際音楽の日』と定められ、1996年には記念切手も発行されました。



ユーディ・メニューインと言えば、クラシック界ではその名を知らぬ者のない名ヴァイオリニストとして有名です。数々の名演が遺されていて現在でも多くの人たちに聴かれていますが、個人的に好きなのが


フランスのジャズヴァイオリニスト、ステファン・グラッペリ(1908〜1997)と共演した演奏を収録したものです。



ジャズ・ヴァイオリニストの第一人者として長年第一線で活躍したグラッペリは第二次世界大戦前から晩年まで精力的な演奏活動を続けましたが、晩年はジャズ以外の分野の演奏家とも共演していました。特にクラシック分野ではメニューインやチェリストのヨーヨー・マらとの共演が有名で、メニューインとは英国BBCテレビでの共演をきっかけにして数枚のアルバムを録音しました。

我が家にもCDがありますが、クラシックとジャズの巨匠的な二人が丁々発止でアンサンブルを繰り広げている様子は何とも楽しく、聴いていて思わず笑みが溢れます。憚りながらヴァイオリンを弾く身の端くれとして、こんな楽しいヴァイオリンが弾けるようになれたらいいな…と、素直に思わせてくれる録音です。

『サマータイム』や『枯葉』といった名曲の演奏もありますが、今日は『タンゴ・ジェラシー』の動画を転載してみました。バンドを従えた二人が、何とも楽しそうにデュオセッションする様子をお楽しみください。


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