今日は小田原と横浜以外の某所に、久しぶりに遠出しました。今日は、昨年にも開催されたタンブール奏者の北川修一氏によるクルディスタン・タンブールのワークショップが一年ぶりに開催されることとなりました。
緊急事態宣言発令下ということもあって、基本的に北川氏と繋がりのある人の中でインフォメーションが為され、当日もかなり限られた人数での開催となりました。一年前同様、今回も
北川氏が用意してくださった楽器をお借りしてのワークショップとなりました。
クルディスタン・タンブールとは、主にイランとイラクの国境付近に住まうクルド人の間に伝わる弦楽器で、その歴史は4000年以上昔に遡ると言われています。胴体は西洋のリュートやマンドリンに似たフォルムですがリュートと違ってネックは真っすぐで、
写真だとちょっと分かりにくいかも知れませんがネックには一本の低音のブロンズ弦と、二本一組のメロディを演奏するスチール弦とが張られています。
ワークショップは、各部毎にクルドの伝統曲をテキストにして行われました。会場内は
可能な限りのソーシャルディスタンスをとった上で全員マスクを装着するなど、万全の感染拡大防止策を講じられた中で進められました。
今回は基本奏法の練習を始めとした四部構成のワークショップで、先ずは基本的な演奏方法の指導を受けました。クルディスタン・タンブールは膝にのせた胴を抱えるように構え、ウクレレのように手首から先でチャラチャラ弾くのではなく、ギターのように右腕の肘から先の全体を腕の重みを利用してストロークさせて奏します。
ダウンピッキング(弾き下ろし)は、強奏の時は右手の小指の先から人差し指にかけての全体を使い、弱奏の時は人差し指の先で弾きます。アップピッキング(弾き上げ)は人差し指の側面を軽く引っ掛けるようにして演奏しますが、他にリールと呼ばれる特徴的なトレモロ奏法もあります。
私は一年前にも北川氏のワークショップに参加していたのですが、さすがに一年も触っていないと殆ど忘れてしまっていたので、経験者としてでは無く初心者として指導して頂きました(汗)。それでも実際に楽器を手にしてみるとあれやこれやと思い出すもので、前回もテキストにされた《Yavaran》を中心に、いろいろと演奏することができました。ワークショップの最後には
北川氏によるデモンストレーションプレイが行われ、ワークショップは盛会のうちに無事終了しました。
とかくこうしたイベントがし難い状況ですが、きちんとマスクを装着してソーシャルディスタンスを図ればある程度の音楽イベントは可能だと思うのですが…。
今回はスレッドの最後に、ワークショップの最後に行われた北川氏によるデモンストレーション演奏の動画を載せてみました。時折聞こえるリールの独特な音色と共に、激しく掻き鳴らすクルディスタン・タンブールの音色をお楽しみください。