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町の大半の人が住環境を重視しているのに少数の人が自分の土地処分の自由を主張して住環境を軽視するのは困った問題です。
私が住んでいる町では250㎡以上の土地を持っている人が二分割して不動産業者を介して建売業者に売ることが時々あります。
すると周辺住民が反対して土地所有者、不動産業者、建売業者と交渉しようとします。
土地所有者は法に違反していないと言って交渉に応じません。
不動産業者は土地所有者の希望を尊重して二分割販売をやったと言って住民と交渉しません。
建売業者は合法と言ってやはり交渉に応じません。
彼らに共通しているのはお金重視、住環境軽視です。
そこで住民は二分割反対の署名運動、問題の土地周辺で二分割反対のポスターの掲示、地方政府や議会への陳情などを行います。
すると建売業者は営業妨害である、裁判をおこすと住民を脅します。
裁判をおこすと言われて恐ろしくなったり、どうせ負ける裁判をやっても損と思ったりして住民が反対運動をやめると負けます。
住環境重視の信念を曲げず住民が裁判を受けて立つ場合は勝つ可能性があります。
いずれにしても住民の苦悩は非常なものです。
住民の苦悩を無視して土地所有者、不動産業者、建売業者が二分割販売を行うことは社会性がある行為とは言えません。
自分の金銭的利益だけでなく、周辺住民の気持ちを汲むべきです。
住環境に関する中央・地方政府の対応は非常に遅れています。
土地に関する財産権の取り扱いについて政府は非常に神経質です。
結果として日本の町は雑然とし、住みにくく、災害に弱く、みにくくなります。
政府はもうちょっと住環境について夢を持つべきと思います。
ところでこれまで私が知っている二分割販売で周辺住民を苦しめた土地所有者はすべて金持ちでした。
お金がないのではなく、もっとお金がほしい人々でした。