1月14日、日本は、脱炭素時代の新燃料としてアンモニアを確保するため、天然ガスからアンモニアを生産し、火力発電の燃料とすることについてアラブ首長国連邦(UAE)と協力して研究開発などを進めていく覚書を交わしたそうです。天然ガスから製造されるアンモニアは燃焼しても炭酸ガスを排出しないことから菅義偉内閣は、火力発電の燃料などとして導入を拡大する方針です。愚策です。
アンモニアを燃料とする技術は検討に値しますが、天然ガスを原料とし、アンモニアをより効率的に生産する技術は問題です。天然ガスはメタンです。このメタンと高温水蒸気を反応させると水素と一酸化炭素ができます。このうちの水素を窒素と反応させてアンモニアを合成します。問題は一酸化炭素の利用です。最終的に炭酸ガスの形になると思います。つまり天然ガスを原料とすることは脱炭素になりません。
アンモニアを輸入し、燃焼すると確かに日本は炭酸ガスを出しませんが、UAEかどこかの国は炭酸ガスを出すことになります。日本だけよければ、外国が、さらには世界がどうなってもいいという考えは大間違いです。