☆ 浅田次郎さんの「五郎治殿御始末」(新潮文庫)から表題作を読んだ。
☆ 明治維新、サムライの時代は終わりを迎えようとしていた。物語の主人公は桑名藩上士、岩井五郎治とその孫・半之助。その半之助が晩年、ひ孫に語るという構成になっている。
☆ 桑名藩は佐幕の立場をとったために朝敵となった。藩はやがて廃藩置県によって三重県となる。五郎治は維新後も藩庁に務めていたが、藩務は赴任してきた薩長の役人らが司り、彼には旧藩士を整理する仕事が与えられた。人の首を切るのはいつの時代も嫌な役目。整理した者から「長州の狗め」と罵られ、石を投げられることもあったという。
☆ 禄が打ち切られるのを機にお役御免となり、屋敷、家財も始末して、死に場所を求めての旅立ちをすることとした。最後まで気になったのが孫のこと。既に尾張(桑名藩とは敵対)の実家に帰した嫁(半之助の母)のもとへ送り届けようとするのだが・・・。
☆ そこからが本筋。
☆ 時代は流れ、西南戦争。五郎治はその戦いで戦死し、半之助に遺品を残す。将校がそれを届けに来るのだが、そこで思わず、笑いがこみあげ、それからジーンとくる。五郎治は孫に何を残したのか。そしてそれに託した五郎治の想いとは。
☆ 最後の1章には浅田さんの想いが込められているようだった。それは単に武士道への郷愁ではない。自分自身を見つめ直せということ、現代人への警鐘であるように感じた。
☆ 明治維新、サムライの時代は終わりを迎えようとしていた。物語の主人公は桑名藩上士、岩井五郎治とその孫・半之助。その半之助が晩年、ひ孫に語るという構成になっている。
☆ 桑名藩は佐幕の立場をとったために朝敵となった。藩はやがて廃藩置県によって三重県となる。五郎治は維新後も藩庁に務めていたが、藩務は赴任してきた薩長の役人らが司り、彼には旧藩士を整理する仕事が与えられた。人の首を切るのはいつの時代も嫌な役目。整理した者から「長州の狗め」と罵られ、石を投げられることもあったという。
☆ 禄が打ち切られるのを機にお役御免となり、屋敷、家財も始末して、死に場所を求めての旅立ちをすることとした。最後まで気になったのが孫のこと。既に尾張(桑名藩とは敵対)の実家に帰した嫁(半之助の母)のもとへ送り届けようとするのだが・・・。
☆ そこからが本筋。
☆ 時代は流れ、西南戦争。五郎治はその戦いで戦死し、半之助に遺品を残す。将校がそれを届けに来るのだが、そこで思わず、笑いがこみあげ、それからジーンとくる。五郎治は孫に何を残したのか。そしてそれに託した五郎治の想いとは。
☆ 最後の1章には浅田さんの想いが込められているようだった。それは単に武士道への郷愁ではない。自分自身を見つめ直せということ、現代人への警鐘であるように感じた。