じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

米澤穂信「満願」

2019-10-14 23:49:17 | Weblog
☆ 米澤穂信さんの「満願」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

☆ 推理小説なのだろうが、殺人はあくまでドラマの1ピースのように感じた。とてもドラマチックな作品だった。

☆ 主人公は弁護士。彼の回想として描かれている。時代は大きく3つに分かれる。彼が法学生だった時代。駆け出しの弁護士だった時代。10年の歳月を経て一人前の弁護士となった時代。

☆ 彼は法学生時代、ある畳屋の二階に下宿していた。その畳屋の主人は無口で人づきあいの悪そうな人だったが、奥さんはとてもよくできた人だった。彼女は苦学生にとても良くしてくれた。

☆ 彼は司法試験に合格し、若手弁護士として独立する。下宿を出て既に数年が過ぎていた。下宿屋の奥さんが殺人で捕まったのを知って、彼は弁護を買って出る。

☆ そして時代が流れ、刑期を終えた奥さんからの電話。作品はそこから始まり、時代をさかのぼっていく。

☆ とてもリズミカルな文章。人物がイメージできる作品だ。読者を引き込むのは、文章のうまさ、構成の技だろうね。
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映画「バルカン超特急」

2019-10-14 23:38:59 | Weblog
☆ 映画「バルカン超特急」(1938年)を観た。

☆ ヨーロッパの架空の国。そこを走るバルカン超特急。その列車からイギリス人の老婦人が消える。彼女を知る女性が探すも乗客も乗務員も知らないの一点張り。彼女はどこに消えたのか。あるいはそもそも彼女は存在しなかったのか。

☆ 話が進むにつれて、国際的な陰謀が明らかになっていく。

☆ 当時としては最先端の特撮を駆使してつくられている。隣の車両に移ろうと車外に出た乗客が、対向列車に遭遇する場面など臨場感がよく出ている。

☆ 前半は少々退屈だ。それは何かにつけ現代の時間の流れが、80年前よりも早くなったせいだろうか。(寿命が延びた分、時間の進み方が早くなったのかも知れない。一種の相対性原理かな)
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