じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

島本理生「ナラタージュ」

2019-10-27 11:26:04 | Weblog
☆ 久しぶりに本屋に行った。BGMが流れていた。いい曲だが題名が思い出せない。あれこれ考えて、そうだ、GLAYの「HOWEVER」だ。

☆ 島本理生さんの「ナラタージュ」(角川文庫)を読んだ。恋愛小説だ。

☆ 女子高校生と若い高校教師。高校生は演劇部に所属し、教師はその顧問だった。女子高校生・工藤泉はクラスに馴染めず、教師・葉山貴司に居場所を求めた。妻と別居中の葉山は、そんな彼女を見守っていた。

☆ 二人は「想い」を残したまま、彼女の卒業と同時に終止符を打つ、はずだった。葉山は大学生となった泉に演劇部の後輩を指導して欲しいと電話。そしてドラマの幕が上がる。


☆ 還暦も過ぎると恋愛小説は結構辛いものがある。人の恋愛などどうだっていいように思えてくる。そんな感覚で読むから、前半は実に退屈だった。それが、300ページを過ぎるあたりから、急に面白くなってきた。

☆ 「HOWEVWR」を聞いたころから、その歌詞が作品とシンクロしたのだ。

☆ 心とは裏腹に「大丈夫」が口癖の泉。映画では有村架純さんが演じていた(断片しか観ていないけれど)。彼女のイメージで作品を読んだ。

☆ 言葉では言い尽くせない、あるいは本人さえ意識していない「想い」、人間とは実に厄介な生き物だが、それが人生の彩であり、人間らしさなのかも知れない。恋愛小説を読む醍醐味は、この弱弱しく、情欲に揺れ動く人間のありのままを感じることなのかも知れない。
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