じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

宮部みゆき「我らが隣人の犯罪」

2019-10-16 21:40:23 | Weblog
☆ 宮部みゆきさんの「我らが隣人の犯罪」(文春文庫)から表題作を読んだ。

☆ 中学1年生の男の子が話者。両親の仕事の都合で転居した先は、三世帯が1単位のタウンハウス(つまり1戸建てを3軒に間仕切りしたもの)。男の子たちの住居はその真ん中。

☆ 隣には女性が一人暮らし。いわゆる「特殊関係人」(この言葉は「マルサの女」で知ったという)らしい。困ったのは彼女が飼っている犬。ストレスのためか、鳴き声がうるさくて仕方がない。夜も寝られず、妹は病気がちになってしまった。

☆ 早々に転居もできず、「僕」は叔父さんと「ある犯罪」を実行する。


☆ 作品では笑って終わっているけれど、結構危ない橋を渡っている気がする。良い子は真似をしないように。
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横山秀夫「第三の時効」

2019-10-16 18:10:01 | Weblog
☆ 横山秀夫さんの「第三の時効」(集英社文庫)から表題作を読んだ。3重にも4重にもトリックが仕組まれていた。

☆ エアコンを取り付けに来た男が、主婦を性的に暴行、その現場を見た夫が男と格闘するが逆に殺害されてしまう。男は逃走し、15年の時効を迎える。それが「第1の時効」。しかし、それにはトリックが。

☆ 「第2の時効」そしてびっくりしたのが「第3の時効」。しかし、それでも終わらない。更に大どんでん返しがあった。このあたりは多くは語れない。

☆ ところで殺人の時効は、2010年に廃止されたんだったかな。今なら成り立たないトリックだけれど。
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松本清張「証言」

2019-10-16 16:45:30 | Weblog
☆ 松本清張さんの「黒い画集」(新潮文庫)から「証言」を読んだ。

☆ 48歳、課長の男。妻には内緒で22歳の女性を愛人としている。二人の関係が暴露されれば、家庭は崩壊、会社にもいられなくなる。男は細心の注意を払って交際を続けていたはずだった。

☆ ところが、愛人宅から帰る途中で、知人と出くわしてしまうのである。

☆ 知らぬ存ぜぬで通そうとしたのだが、悪いことはできないものだ。

☆ 政治家のように「記憶にございません」と言えば良かったものを。

☆ 「人の嘘には、人の嘘が復讐するのであろうか」で、作品は締めくくられている。
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柳広司「ジョーカー・ゲーム」

2019-10-16 03:24:59 | Weblog
☆ 柳広司さんの「ジョーカー・ゲーム」(角川文庫)から表題作を読んだ。面白い作品だった。

☆ 太平洋戦争、いや日中戦争直前、陸軍の中にスパイ養成所がつくられることになった。それは「D機関」と呼ばれた。当時の日本陸軍は諜報活動を潔しとせず、養成所を立ち上げた結城中佐には冷ややかな視線が送られていた。ミスでもあろうものなら養成所をつぶそうと。参謀本部はD機関との連絡係として佐久間中尉を派遣する。彼がこの物語の語り手となる。

☆ このストーリーを読んで思い出すのが映画「陸軍中野学校」のシリーズだ。結城中佐役は加東大介さん、佐久間中尉役は市川雷蔵さんというところだろうか。

☆ アニメも観ていたので、それを確認するように読めた。
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