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小平奈緒さんはアスリートである以上にアーティストでもあると思います。

2022年10月29日 23時55分55秒 | スポーツ
僕のようないい加減な人間性の者が、
素晴らしい人間性の小平さんのことを書くのは憚られるべきことかもしれませんが、
そこをあえて書きたいので書きます。

小平さんを知ったのは、正直、2018年平昌オリンピックでした。
金メダルをとったのはもちろんそれだけで素晴らしいことなのですが、何よりも魅了されたのは、あの有名なイ・サンファ選手(韓国)に寄り添う場面でした。

おそらくそれまで観たスポーツの名場面の中でいちばん心に残る美しい場面だったのではないかとまで僕は思っています。
僕は1990年代初め、某スポーツ新聞社のカメラマンをしていましたが、そのまま続けていれば、もしかすると自分がその場面を撮影できていたのではないか?と、これまでに唯一スポーツカメラマンを辞めたことを後悔した場面でした。

それ以後、彼女の言動、特に言葉は僕を魅了し続けています。

先週、最後のレースをまさしく有終の美で終え、27日引退会見が行われました。


まぁ、いろいろと考えさせられました。

以前からそうですがレースを「表現」とする考え方。
この会見でも出ていた「唯一無二の自己表現」。
以前聞いたことのある「今の自分の生き様を表現する」。
このような言葉に僕は「表現しているのであれば、アーティスト」だろうと思ったのです。
それこそ、「アスリートである以上にアーティストでもある。」と思ったのです。

この会見で特に心に残った言葉を挙げると、
「唯一無二の自己表現」ともう一つの小平さんの探求テーマである「知るを愉しむ」

「一緒に競い合う仲間をリスペクトすること」

「外国の方と接していると違う文化だったり違う言語だったり違う思考の持ち方だったり、いろんな方と接する中でやっぱり違いを分かろうとすること、あとは、数字だとか順位だとかで自分や人の価値を決めつけないでほしいっていう想いはたくさんの子供たちに伝えていけたらいいなというふうに思っています。」

「目標に順位や記録というものがあったとは思うんですけど、それが手段には過ぎなくて、目的には必ず唯一無二の自己表現があったように感じています。それは人と比べようがないですし、自分の生きる軸としてどっしりと自分の中にあるもの揺るがないものとしてあるので、その表現はスピードスケートを通して全うできたんじゃないかなと思っています。 」

「とある教育学部の先生に『自分の文脈の中でしか学びは生まれてこない』という言葉を教えていただいて、その文脈が私はスケートの世界でしか育てられてないと思っているので、これから先、自分の中に作り上げていく文脈が、いろんな人たちとの関わり合いの中でさらに広がってくると思うので、そこで生まれてくる学びをしっかりとキャッチして、また新しい私の生き方をしていけたらいいのかなと思っています。」

「オリンピックはスポーツをやる人たちにとっても、それを支える人たちにとっても、それを観る人たちにとっても良いものであってほしいなという願いはこれから持ち続けると思います。
私も4回のオリンピックを経験して確かにそこで成長させてもらってきたっていう想いがあるので、それを利用されたくないなっていう想いがあるんですけど、純粋に世界を明るくする舞台であってほしいですし、世界の人と人をつなぐものであってほしいと思いますし、またその人の人生の中で自己実現できるチャンスであってほしいなっていうふうに思っているので、そうですね、オリンピックを目指すことは全然悪いことじゃないと思います。
それを支えてくれる人たちが本当に真摯にスポーツに向き合ってくれることをただただ願っています。」

「皆さんと一緒に歩いていきたいという想いが強いので、また小平奈緒と一緒に歩みを進めてくれる皆さんがいたら幸せです。」

質疑応答の途中、元スピードスケート選手の清水宏保さんとのやりとりもあったりで、なかなか有意義な会見だったと思います。この会見も撮影に行きたかったですね。

しかし、スポーツ選手の引退会見でうるうるしたのはこれが初めてじゃないですかね?

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