僕は、本を読むのが小さい頃からあまり好きではなく、読んだとしても非常に遅く時間や日にちがかかります。
また「作り物(フィクション)」に興味が皆無で、どちらかというとエッセイやドキュメンタリーを好みます。
そんな僕ですが、藤原さんの書く文章はなぜしら読みやすく集中して読めるのです。
また今回は「小説」であり、興味を持てるのかどうかわかりませんでしたが、実際読み始めてみると面白く予想以上に興味が持てました。
発売以前に藤原さんの会員制サイトで、上梓される前の文章が公開されていて読んでいたのですが、
上梓された今回の文章は非常にすっきりまとめられていて読みやすかった印象です。
内容は、オンラインゲーム依存症だった主人公が幼い頃に亡くした父の故郷(スコットランド・オークニー諸島)を訪ね、ガイドを頼んだ老人らとの交流の中で心開いていく姿を描いています。
ストーリー展開が次々とあり、読者をヒマにさせない。たぶん読書好きの人なら一日で読み切ってしまう作品なのでしょう。
読み終えて、ゲームこそしないものの、主人公と同じような身の上において、身につまされる内容でした。
詳しく書こうとすると、もうこの文章が迷走してしまう可能性が高いので書きませんが、ひとつ明確に思ったのは、
この本を読んで感じた内容を自分の生活に活かし、何かを成し遂げられた時に、初めて本当の意味において、この「大鮃」という小説を読了したことになるのではないか。
そう思いました。
この先、何か生活の場面で、幾度かこの小説の何かの場面がふと頭に思い浮かぶことがあるんだろうと思います。
大鮃(おひょう) | |
藤原新也 | |
三五館 |