「人生を終えたのちに残るのは、集めたものではなく、与えたものである」
この言葉は、私がバスを降りて勤務先まで歩いて行く途中にあるお寺の掲示板に書かれていたものだ。
その言葉に触発されて考えた。私がこれまでに他の人に与えたものは、何があるのだろうか、と。
自分の人生を振り返ると、いろいろな人々との出会いがあり、人から与えてもらったことの方が、与えたものよりはるかに多いことに改めて気がつく。
人生の分岐点では、私に必要な言葉を与えてくれた人がいた。それは友人、知人だけではなく、本の中の登場人物だったりした。
愛の貸借対照表を作るとしたら、確実に与えた愛より、与えられた愛の方が多い。
この借金の部分を、どう穴埋めしていくか。それが私の残りの人生の課題なのだろう。
特別な才能も、お金もない私だが、一番大きな財産は健康である。この健康な体を元手に、お返しの人生を送りたいと思う。
私が弱った時に元気をもらったように、私も人に元気を与えたい。希望を持てないで居る人には、「朝の来ない夜はない」と伝えたい。未来を担う子供たちには、命の尊さを語っていきたい。
そして願わくは、人生の幕引きの時に、誰かに言いたいものである。
「ありがとう。いい人生でした」と。
北九州市 淺野かつえ 2010/11/14 毎日新聞女の気持ち欄掲載
この言葉は、私がバスを降りて勤務先まで歩いて行く途中にあるお寺の掲示板に書かれていたものだ。
その言葉に触発されて考えた。私がこれまでに他の人に与えたものは、何があるのだろうか、と。
自分の人生を振り返ると、いろいろな人々との出会いがあり、人から与えてもらったことの方が、与えたものよりはるかに多いことに改めて気がつく。
人生の分岐点では、私に必要な言葉を与えてくれた人がいた。それは友人、知人だけではなく、本の中の登場人物だったりした。
愛の貸借対照表を作るとしたら、確実に与えた愛より、与えられた愛の方が多い。
この借金の部分を、どう穴埋めしていくか。それが私の残りの人生の課題なのだろう。
特別な才能も、お金もない私だが、一番大きな財産は健康である。この健康な体を元手に、お返しの人生を送りたいと思う。
私が弱った時に元気をもらったように、私も人に元気を与えたい。希望を持てないで居る人には、「朝の来ない夜はない」と伝えたい。未来を担う子供たちには、命の尊さを語っていきたい。
そして願わくは、人生の幕引きの時に、誰かに言いたいものである。
「ありがとう。いい人生でした」と。
北九州市 淺野かつえ 2010/11/14 毎日新聞女の気持ち欄掲載