奥の間で書類の整理をしていた時、電話のベルが鳴った。はて、こんな時間に誰からだろうかといぶかりながら受話器を耳に当てた。「おめでとう」と一言、先方の弾んだ声が鼓膜に心地よく響く。名乗らなかったが、聞き慣れた声ですぐさま北九州市のH氏とピンと来た。
雑誌の文芸欄に拙文が入選したことを告げてくれた電話だった。氏は二十数年来の趣味の知己である。用件が終わった後も心を和ませてくれる会話が弾んだ。相手の迷惑も考えずつい長電話になったことをわび、心からお礼を述べて静かに受話器を置いた。
霧島市 有尾茂美(79)2008/5/17 毎日新聞鹿児島版掲載
雑誌の文芸欄に拙文が入選したことを告げてくれた電話だった。氏は二十数年来の趣味の知己である。用件が終わった後も心を和ませてくれる会話が弾んだ。相手の迷惑も考えずつい長電話になったことをわび、心からお礼を述べて静かに受話器を置いた。
霧島市 有尾茂美(79)2008/5/17 毎日新聞鹿児島版掲載