はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

雨の日に

2019-02-24 21:25:31 | はがき随筆
 冷たい雨が降っている。庭も寒々と寂しい。
 温泉に行こう、と友人から電話がきた。気のおけない中学校時代からの仲間3人。一番元気な英ちゃんが運転手も務める。農業をしている彼女たちは雨の日が休日なのだ。一風呂浴びるとおしゃべりが始まる。
 「百姓はいっつもなんかかんか仕事がある。でん、やっただけ目に見えるし、いいミカンもブドウもできるしね」と2人は言う。そして「晴耕畑、雨読は温泉」と笑う。その笑いがとてもいい。しばらくしゃべって、また入浴して「また来ようね」と帰路に就く。
 宮崎県延岡市 島田千恵子(75) 2019/2/24 毎日新聞鹿児島版掲載