テーブルに豪華なコチョウランや盛り花。親戚のTおばさんは百寿を迎えた。会うや否や「このコチョウランいくらぐらいするかしら?」と聞かれた。
いつもあか抜けた若々しい装いで「おばさん素敵」とほめると「あなたこそ」と返され、ガールズトークが始まる。頼りにしていた娘と息子が逝き、ヘルパーさんの助けを借り、一人暮らしだ。おばさんは話したいことがいっぱいある。私はおいとまするきっかけがつかめない。
「ひろこさんお金は大事よ」。話が2巡目に入ったあたりで意を決して腰を上げた。気骨ある百歳に生きる勇気をもらう。
宮崎県日南市 矢野博子(72) 2022.9.14 毎日新聞鹿児島版掲載
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