霧島山から流れ下る天降川。国分辺りの左岸に気色の杜があり、大隅国府跡がある。都会のオアシス的な所が気に入って居を構う。家の周囲の東西南北に庭を配置して5年も経つと、そこはかとなき風情も生まれつつある。四季折々の花の中で、主人の自慢は、西に設けた黄色いダチュラだ。冬なのに満開の花を咲かせている。100から200輪はあるだろうか。夕方になると、熱帯の植物らしく甘酸っぱく匂う。数寄屋門の外灯の下で妖しく揺れながら。もうしばらく楽しませておくれ。むつまじくダチュラと歩む夫婦。
鹿児島県霧島市 白坂功子(63) 2022.1.4 毎日新聞鹿児島版掲載
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