はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

新たな出発

2013-05-19 22:13:11 | はがき随筆
 右足のひざから下を切って捨てたいと心底思った。寝ても横になっても、あぐらを組んでも正座しても、すねの痛みは飛散することはなかった。
 腰部脊柱管狭窄症と診断されたのは、その痛みで早期退職した後のことである。優雅な退職後の人生と人は言うが、数十㍍で涙する間欠跛行で惨めなスタートとなった。ひきこもり状態で体重は増え、動きも緩慢となり、廃人同様であった。
 夏休みの朝のラジオ体操に孫と参加したことで、身体に変化が生じた。
 子供たちが力を与えてくれたその夏が、また巡ってくる。
  いちき串木野市 新川宣史  2013/5/11 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿