先日催された「語り」への招待という朗読会に行った。否、正確に言えばそれは朗読会ではなかった。それは正しく「語り」である。豊富なキャリアを持つプロの女性アナウンサーたちが、舞台上で芥川の「羅生門」、鴎外の「高瀬舟」などの名作を一人芝居のように朗々と「語り」かけるのである。私は新鮮で不思議なこの「語り」の世界に引き込まれていった。
読書離れの世の中、視覚と聴覚に訴えるこの「語り」はあたかも文学への水先案内人のように、これからの新しい舞台様式として愛されていくのではなかろうか。
宮崎県延岡市 甲斐修一(68) 2018/8/19 毎日新聞鹿児島版掲載
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