信号待ちの交差点。青になると同時に歩き出した小柄な女子高校生と歩行ピッチは全く同じなのに、少しずつ間隔が開いていく。二つ先の交差点で止まる際は、その差5㍍ぐらいに。
歩くのはあまり苦にならないし、ボランティア仲間などからも「歳の割には若く見える」と言われ、その気になっていた。しかし、ピッチは若い人についていけても、歩幅の方は確実に老いが忍び寄っているのを痛感させられ、愕然とした。
「これからは無理せずに、ピッチの方の老化を遅らせるのが課題になるな」と思い直す。信号が青になった。
熊本市東区 中村弘之(85) 2022.3.26 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます