先の見えないコロナ禍で、できることはワクチン接種と自粛しかない。そんなある日、カミさんが外食を提案。家事からの解放も思いやりと腰を上げる。
レストランは高台にあって大隅半島が一望できる。検温、消毒をして海を見下ろせる席に着く。調理もなく、後片付けもなく、カミさんは浮き浮き。
食後のコーヒーを味わい、異様さに気付く。広い空間にいるのはぼくたちと客待ちの従業員だけである。自粛が平常の今、起き得る現実かもしれない。
駐車場には、ぼくたちの車がポツンとあり、自粛破りの罪悪感さえ覚えた。
鹿児島県志布志市 若宮庸成(83) 2022.10.13 毎日新聞鹿児島版掲載
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