はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ドラマは続く

2017-03-30 22:42:48 | はがき随筆
 去る2月5日、実家で父の25年忌があり、千葉より弟夫婦が帰省して、行事を遂行した。
 生前、両親が着用した衣類を公開して形見分けすることに。
 父の背広、モーニング、大島紬、コート。母の高級呉服、肌着類が、ナフタリン入りで丁寧に虫干しの日付まで記入。それを見ても、欲しい人がいない。なぜ? 訳はそれぞれ自宅にも「箪笥の中で眠っている」と。そう言いながら、好みの物を選んで、残りは高隈山稜の焼却炉へ。誠にもったいない話。夢と希望の品々が、一瞬にして焼失する。やがて新しいドラマの開幕で行事は続く。
  肝付町 鳥取部京子 2017/3/21 毎日新聞鹿児島版掲載

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