平成21年3月3日(火)のちのち
昨日より少し肌寒い日でしたが、園の和室は、早朝からお茶席用の炭を
炉にくべて、香を燻らせて、馥郁とした雅な雰囲気に包まれていました。
例年のとおりに桃の花を花瓶に活けて飾り、和室のしつらえを整え、
毎年迎える健康と長寿を祈り雛祭りのお茶会を、今年も致しました。
和服に着替え いつもとは違ったおしとやかな先生方のお点前により、
日頃は活発な男の子も神妙な面持ちで、和の風情にひたり、
心ゆたかな時間が流れました。
船津清子理事長先生が、7席の茶席の席主を勤め、
年齢に応じて、心に響く色々なお話をしました。
琴の演奏は、主任仰木ミヤコ先生でした。
裏方の水屋の点てだしのお手伝いをくださった先生方、
お運び担当もご苦労様でした。
金子正一先生にも大変お世話になりました。
ありがとうございました。
様々な体験を通じて、こどもたちは
大きく飛躍するターニングポイントを迎えます。
感性を高めるためには、心にひびく環境に浸るのも
非常に大事なことです。
玄関ホールには、美しい『さげもん』や『てまり』がたくさん飾ってあります。
この『さげもん』は、いつも慰問や仲良し交流会に年長組がおじゃましている
倫尚会特別養護老人ホーム 『ウェル馬場山』のデイサービスの高齢者の
方々が、丁寧に型紙をあてて、ちり緬の布を切り取り、一針ひとはり
心を込めて縫い合わせて綿をきっちり詰めて、接ぎ合せて手作りして
プレゼントしていただいたものです。
また、柳川に先日お出かけした方からの寄贈の刺繍の鞠も
玄関の中央に飾ってあります。
手作りの素晴らしい作品の数々です。
日本の伝統の技の中に、多くの方々の子どもたちの成長や長命を
真心から祈るそのあたたかい気持ちが伝わってまいります。
どうぞ、園へお越しの節は、お雛様をご覧になり、
その周辺に飾ってある『さげもん』や『刺繍手まり』もゆっくりご覧ください。
一つひとつ色合いや柄が違い、味わいがあり、心ゆたかになります。
最近は、洋風のモダンなつくりのお宅が増えてきて
全室フローリング、つまり、和室が無いお宅もあるようですが、
時々畳の上で、正座して心を落ち着ける体験も
日本人なら必要ではないでしょうか?
ちゃぶ台で食事するお宅も 殆どなくなり、
テーブルで椅子に座るという家庭ばかりになってきました。
畳の上で座ってかしこまって飲食をする経験も殆ど無くなったようです。
やはり、四季折々の季節感のある伝統行事を大事にして、
肌で感じる感性をゆたかに育てていきたいものです。