絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2021年1月16日(土)文章たっぷりコース第5回目の授業内容・高科正信先生

2021-01-17 16:35:00 | 文章たっぷりコース
この日はダブルヘッダーで、イラストクラスの授業が終わって間もなく文章たっぷりクラスが始まりました。
緊急事態宣言が出ましたので、お休みの方もおられますが、教室ではドアや窓も開けて授業に臨みました。
幸い日が暮れても暖かったので良かったです。



今日は先生のお正月の過ごし方のお話から始まりました。
先生には毎年お正月に読み返す決まった本があるそうです。
コタツに入って、小野不由美の『十二国記』全巻を読みながらお正月を過ごすとか。先生らしいですね!
最近はご夫婦で中華ファンタジーにハマっているので、
浅田次郎の『蒼穹の昴』と夢枕獏の『沙門空海等の国にて鬼と宴す』も読まれたとか。
いずれも気が遠くなるほどの資料を調べ上げ、事実と物語の破綻がないように構成されていて見事な大作だそうです。
家に居る時間が長い時は、先生のように大作に挑むのも良いですね。



今日はまずテキスト『書く力』(池上彰・竹内政明/朝日新書)から、「第2章 本当に伝わる『表現』とは」を見ていきました。
①自分がわかっていることを、よくわかっている言葉で書く。
②ベタな表現でも、読み手によく伝わるのならかまわない。
③感情を抑えて書くことも大切である。
④ツッコミを先回りする。 という内容です。

①は、自分でもよく理解できないことを、わからない言葉を使って書いても、読み手には伝わらないからです。
ここで、30年以上前に大阪の小学校で人権教育の授業の副読本として使われた文章を見ていきました。
当時の識字学級に通っていた、52歳の女性が初めて書いたひらがなの作文「わたしのおいたち」です。
拙い文章ではありましたが、彼女のつらかった過去がひしひしと伝わってくる作品でした。

②で気を付けなければいけないのは、ベタな表現と手垢のついた言い回しは違うということです。
捻りがなくてストレートな表現だと、少なくとも読み手と気持ちの交感ができるけれども
「犯罪者の心の闇は深い」というような、意識せずについ使ってしまうような表現は
ありふれてベタな表現より悪いそうなんですが、これは難しいですね。

③④は池上さんと竹内さんのようなプロの書き手だから必要になる事柄で、
私たちはまず①と②に留意して書いていけば良いようでした。

次に、前回保留になっていた、句読点の打ち方のについて見ていきました。



最初に、先生がお正月に読んでいた夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』の一部を見て
自分たちで校正してみました。
夢枕獏の文章は句読点がとにかく多く、ほとんど一文で改行されているため段落がありません。
それを、自分ならこの句点は要らないとか、この2文は続けて方がいいとかの朱を入れます。

その後、尾川正三の『原稿の書き方』(講談社現代新書)に掲載されている
永野賢による『学校文法概説』の要点に、読点(、)に関するたくさんの例文が載っていたり



そして、井上ひさしの『日本語相談』に載っている
『「」の中の句点(。)はなぜあるのか』について見ていって



先ほどの校正の答え合わせを行いました。

日本語は文章の終わりに来る言葉が決まっているので、元々句読点を使っていなかったのですが
外国語は言葉を続けてしまうと意味が分からなくなってしまうので、スペースやカンマ、ピリオドが必要でした。
そこで外国語に倣って日本語にも句読点を使うようになったのだそうです。

どちらも決まり事はあるけれど、例外はたくさんあるので結局は
・「、」がないと間違えやすいところに打つ
・自分の打ちたいところに打つ(好みの問題)
それが自分の文体になる、ということで良いそうです。
但し、一つの文章の中にいろんな打ち方が混在しているのはいけません。
自分で打ち方の決まりを定め、それを貫くようにしていきましょう。

夢枕獏は独特ですが、普通は改行することは大事で
文のかたまりとして、ここではこういうことを言っていると目で見てわかるように
読みやすくするために必要なことなのです。

ここで、高科先生の『ひみつきち』という短編が
小学生が学校で使うためのテキストになり、再編集されたものを見せていただきました。
先生が書いたものとは異なり、小学校で習う決まりごとで句読点の打ち方がされているのですが
教育的配慮ということで仕方ないとか。
でも、実際の小説などで小学校の教科書のような句読点の打ち方をしている書物は皆無だそうです。




最後に前回提出した課題「わたしのすすめる一冊の本」を返してもらい
参考として、先生の書評を読みました。

おすすめの本を紹介する時は、作者・書名・出版社名・発表年度くらいの情報は
文章の中に入っていた方が、その本を初めて知る読者に親切、とのことでした。

最後に課題が出ました。今回のテーマは「冬のさんぽ道」で、文字数は自由です。
実際に散歩をし、上を見て、下を見て、周囲を見回して
普段気が付かなかったこと気付き、それを書いてください。
意識して歩くと、何かが見えてくるものです。
今回は観念的なものでなく、実際に見たものを具体的な情景が浮かぶように書きます。
わかることをわかる言葉で書く、という今日の授業を実践しましょう。
関係ないことを書いて、ブリッジをかけることができたらなお良いでしょう。
寒いけれど頑張って外に出て、散歩を実践してくださいね。

よろしくお願いいたします。

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2021年1月23日(土)イラストじっくりコース・たかいよしかず先生の授業持ち物

2021-01-17 15:28:22 | イラストじっくり塾

1月23日(土)たかいよしかず先生の授業は、課題の発表と講評です。

【課題】
キャラクターをつくってきてください。
(A3サイズ/なまえ・大きさ・好きな食べ物・特技など、特徴も一緒に)

*持ち物
・課題
・スケッチブック
・簡単に着色の出来る画材(色鉛筆やマーカーなど)

※スポット受講(在校生、卒業生対象)、ご見学(体験受講)の方、
随時受付しております!
興味のある方はギャラリーvie絵話塾までお問い合わせ下さい。
よろしくお願いいたします。


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2021年1月16日(土)イラストじっくりコース・おさないまこと先生の授業内容

2021-01-17 14:46:09 | イラストじっくり塾
本日から2021年度の授業がスタートしました。
本年もどうぞよろしくお願いします。

おさないまこと先生の授業では、立体を制作します。
最終的には立体制作をした作品を撮影してカレンダーにしていきます。
昨年は『おむすびころりん』でした。



まずはこれまでに仕事で制作された作品を、生徒さん達に直接触れて見てもらいました。
たくさんの細かな立体作品がずらり。
登場人物だけではなく、背景などのセットも制作されています。
どんな素材を使われているか、制作や撮影の苦労話をお聞きしました。
昔話などのストーリーに沿った小道具だったり、子ども雑誌の付録で撮影したものであったり
その、小さな一つ一つが愛らしいです。

また、先生は立体制作だけでなく、背景や小道具なども全て手作りし、最後に照明を当ててカメラマンと協力して撮影する形をとられています。
神戸のショッピングセンター「須磨パティオ」のキャラクター「パティちゃん」も先生作です。

 

粘土は、ラドール(石塑粘土)という種類で主に使われていて、授業でも同じものを用います。
これには石の粉が入っており、紙粘土のような繊維質が入っておらず、きめ細かい粘土です。



本日はラフスケッチをして成形までします。
では、皆さんもラドール(粘土)を使って制作してみましょう!
立体を作るので、立体の形が分かるようにスケッチしてみます。


  

作りたい物がスケッチ出来たら、ラドールを柔らかくなるまでこねていきます。
ラドールは乾きやすいので、使わない時は濡れた布でくるんでおくと良いです。



腕や尻尾など細い部分を付ける場合は、針金を通します。
針金も鉄ではなくステンレスで錆びない素材を使用します。



次回の授業までに乾燥させて、次に研磨と着色をしていきます。




「立体は得意・不得意はあると思いますが「粘土」も「画材」の一つとして捉えて
平面作品と同じような感覚で制作していけば、もっと表現の幅が拡がっていくのでは」と おさない先生。
おさない先生の授業では、グループでカレンダー制作をします。楽しみですね!


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