この日はダブルヘッダーで、イラストクラスの授業が終わって間もなく文章たっぷりクラスが始まりました。
緊急事態宣言が出ましたので、お休みの方もおられますが、教室ではドアや窓も開けて授業に臨みました。
幸い日が暮れても暖かったので良かったです。
今日は先生のお正月の過ごし方のお話から始まりました。
先生には毎年お正月に読み返す決まった本があるそうです。
コタツに入って、小野不由美の『十二国記』全巻を読みながらお正月を過ごすとか。先生らしいですね!
最近はご夫婦で中華ファンタジーにハマっているので、
浅田次郎の『蒼穹の昴』と夢枕獏の『沙門空海等の国にて鬼と宴す』も読まれたとか。
いずれも気が遠くなるほどの資料を調べ上げ、事実と物語の破綻がないように構成されていて見事な大作だそうです。
家に居る時間が長い時は、先生のように大作に挑むのも良いですね。
今日はまずテキスト『書く力』(池上彰・竹内政明/朝日新書)から、「第2章 本当に伝わる『表現』とは」を見ていきました。
①自分がわかっていることを、よくわかっている言葉で書く。
②ベタな表現でも、読み手によく伝わるのならかまわない。
③感情を抑えて書くことも大切である。
④ツッコミを先回りする。 という内容です。
①は、自分でもよく理解できないことを、わからない言葉を使って書いても、読み手には伝わらないからです。
ここで、30年以上前に大阪の小学校で人権教育の授業の副読本として使われた文章を見ていきました。
当時の識字学級に通っていた、52歳の女性が初めて書いたひらがなの作文「わたしのおいたち」です。
拙い文章ではありましたが、彼女のつらかった過去がひしひしと伝わってくる作品でした。
②で気を付けなければいけないのは、ベタな表現と手垢のついた言い回しは違うということです。
捻りがなくてストレートな表現だと、少なくとも読み手と気持ちの交感ができるけれども
「犯罪者の心の闇は深い」というような、意識せずについ使ってしまうような表現は
ありふれてベタな表現より悪いそうなんですが、これは難しいですね。
③④は池上さんと竹内さんのようなプロの書き手だから必要になる事柄で、
私たちはまず①と②に留意して書いていけば良いようでした。
次に、前回保留になっていた、句読点の打ち方のについて見ていきました。
最初に、先生がお正月に読んでいた夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』の一部を見て
自分たちで校正してみました。
夢枕獏の文章は句読点がとにかく多く、ほとんど一文で改行されているため段落がありません。
それを、自分ならこの句点は要らないとか、この2文は続けて方がいいとかの朱を入れます。
その後、尾川正三の『原稿の書き方』(講談社現代新書)に掲載されている
永野賢による『学校文法概説』の要点に、読点(、)に関するたくさんの例文が載っていたり
そして、井上ひさしの『日本語相談』に載っている
『「」の中の句点(。)はなぜあるのか』について見ていって
先ほどの校正の答え合わせを行いました。
日本語は文章の終わりに来る言葉が決まっているので、元々句読点を使っていなかったのですが
外国語は言葉を続けてしまうと意味が分からなくなってしまうので、スペースやカンマ、ピリオドが必要でした。
そこで外国語に倣って日本語にも句読点を使うようになったのだそうです。
どちらも決まり事はあるけれど、例外はたくさんあるので結局は
・「、」がないと間違えやすいところに打つ
・自分の打ちたいところに打つ(好みの問題)
それが自分の文体になる、ということで良いそうです。
但し、一つの文章の中にいろんな打ち方が混在しているのはいけません。
自分で打ち方の決まりを定め、それを貫くようにしていきましょう。
夢枕獏は独特ですが、普通は改行することは大事で
文のかたまりとして、ここではこういうことを言っていると目で見てわかるように
読みやすくするために必要なことなのです。
ここで、高科先生の『ひみつきち』という短編が
小学生が学校で使うためのテキストになり、再編集されたものを見せていただきました。
先生が書いたものとは異なり、小学校で習う決まりごとで句読点の打ち方がされているのですが
教育的配慮ということで仕方ないとか。
でも、実際の小説などで小学校の教科書のような句読点の打ち方をしている書物は皆無だそうです。
最後に前回提出した課題「わたしのすすめる一冊の本」を返してもらい
参考として、先生の書評を読みました。
おすすめの本を紹介する時は、作者・書名・出版社名・発表年度くらいの情報は
文章の中に入っていた方が、その本を初めて知る読者に親切、とのことでした。
最後に課題が出ました。今回のテーマは「冬のさんぽ道」で、文字数は自由です。
実際に散歩をし、上を見て、下を見て、周囲を見回して
普段気が付かなかったこと気付き、それを書いてください。
意識して歩くと、何かが見えてくるものです。
今回は観念的なものでなく、実際に見たものを具体的な情景が浮かぶように書きます。
わかることをわかる言葉で書く、という今日の授業を実践しましょう。
関係ないことを書いて、ブリッジをかけることができたらなお良いでしょう。
寒いけれど頑張って外に出て、散歩を実践してくださいね。
よろしくお願いいたします。
緊急事態宣言が出ましたので、お休みの方もおられますが、教室ではドアや窓も開けて授業に臨みました。
幸い日が暮れても暖かったので良かったです。
今日は先生のお正月の過ごし方のお話から始まりました。
先生には毎年お正月に読み返す決まった本があるそうです。
コタツに入って、小野不由美の『十二国記』全巻を読みながらお正月を過ごすとか。先生らしいですね!
最近はご夫婦で中華ファンタジーにハマっているので、
浅田次郎の『蒼穹の昴』と夢枕獏の『沙門空海等の国にて鬼と宴す』も読まれたとか。
いずれも気が遠くなるほどの資料を調べ上げ、事実と物語の破綻がないように構成されていて見事な大作だそうです。
家に居る時間が長い時は、先生のように大作に挑むのも良いですね。
今日はまずテキスト『書く力』(池上彰・竹内政明/朝日新書)から、「第2章 本当に伝わる『表現』とは」を見ていきました。
①自分がわかっていることを、よくわかっている言葉で書く。
②ベタな表現でも、読み手によく伝わるのならかまわない。
③感情を抑えて書くことも大切である。
④ツッコミを先回りする。 という内容です。
①は、自分でもよく理解できないことを、わからない言葉を使って書いても、読み手には伝わらないからです。
ここで、30年以上前に大阪の小学校で人権教育の授業の副読本として使われた文章を見ていきました。
当時の識字学級に通っていた、52歳の女性が初めて書いたひらがなの作文「わたしのおいたち」です。
拙い文章ではありましたが、彼女のつらかった過去がひしひしと伝わってくる作品でした。
②で気を付けなければいけないのは、ベタな表現と手垢のついた言い回しは違うということです。
捻りがなくてストレートな表現だと、少なくとも読み手と気持ちの交感ができるけれども
「犯罪者の心の闇は深い」というような、意識せずについ使ってしまうような表現は
ありふれてベタな表現より悪いそうなんですが、これは難しいですね。
③④は池上さんと竹内さんのようなプロの書き手だから必要になる事柄で、
私たちはまず①と②に留意して書いていけば良いようでした。
次に、前回保留になっていた、句読点の打ち方のについて見ていきました。
最初に、先生がお正月に読んでいた夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』の一部を見て
自分たちで校正してみました。
夢枕獏の文章は句読点がとにかく多く、ほとんど一文で改行されているため段落がありません。
それを、自分ならこの句点は要らないとか、この2文は続けて方がいいとかの朱を入れます。
その後、尾川正三の『原稿の書き方』(講談社現代新書)に掲載されている
永野賢による『学校文法概説』の要点に、読点(、)に関するたくさんの例文が載っていたり
そして、井上ひさしの『日本語相談』に載っている
『「」の中の句点(。)はなぜあるのか』について見ていって
先ほどの校正の答え合わせを行いました。
日本語は文章の終わりに来る言葉が決まっているので、元々句読点を使っていなかったのですが
外国語は言葉を続けてしまうと意味が分からなくなってしまうので、スペースやカンマ、ピリオドが必要でした。
そこで外国語に倣って日本語にも句読点を使うようになったのだそうです。
どちらも決まり事はあるけれど、例外はたくさんあるので結局は
・「、」がないと間違えやすいところに打つ
・自分の打ちたいところに打つ(好みの問題)
それが自分の文体になる、ということで良いそうです。
但し、一つの文章の中にいろんな打ち方が混在しているのはいけません。
自分で打ち方の決まりを定め、それを貫くようにしていきましょう。
夢枕獏は独特ですが、普通は改行することは大事で
文のかたまりとして、ここではこういうことを言っていると目で見てわかるように
読みやすくするために必要なことなのです。
ここで、高科先生の『ひみつきち』という短編が
小学生が学校で使うためのテキストになり、再編集されたものを見せていただきました。
先生が書いたものとは異なり、小学校で習う決まりごとで句読点の打ち方がされているのですが
教育的配慮ということで仕方ないとか。
でも、実際の小説などで小学校の教科書のような句読点の打ち方をしている書物は皆無だそうです。
最後に前回提出した課題「わたしのすすめる一冊の本」を返してもらい
参考として、先生の書評を読みました。
おすすめの本を紹介する時は、作者・書名・出版社名・発表年度くらいの情報は
文章の中に入っていた方が、その本を初めて知る読者に親切、とのことでした。
最後に課題が出ました。今回のテーマは「冬のさんぽ道」で、文字数は自由です。
実際に散歩をし、上を見て、下を見て、周囲を見回して
普段気が付かなかったこと気付き、それを書いてください。
意識して歩くと、何かが見えてくるものです。
今回は観念的なものでなく、実際に見たものを具体的な情景が浮かぶように書きます。
わかることをわかる言葉で書く、という今日の授業を実践しましょう。
関係ないことを書いて、ブリッジをかけることができたらなお良いでしょう。
寒いけれど頑張って外に出て、散歩を実践してくださいね。
よろしくお願いいたします。