本日は、はやしますみ先生の初回の授業です。
10月9日(水)絵本わくわくコースと、13日(日)絵本ゆっくりコースの授業内容は同じですので、まとめてアップさせていただきます。
「私もみんなと同じように、絵話塾に通っていたのですよ」
「絵話塾の先生と生徒の間の人と思って、気楽に何でも聞いてくださいね」と、はやし先生。
はやし先生が、絵話塾に通っていた時のお話しをお聞きしました。
「全ての授業に出席して、課題は全部仕上げる、そして一番前に座る」を目標に一年頑張ったそうです。
はやし先生のデビューのきっかけはコンペです。
絵話塾の修了展で展示した絵本『ねーねーのしっぽ』を、ピンポイントギャラリーが主催の絵本コンペに応募して優秀賞を受賞されました。
ピンポイントギャラリーで展覧会をし、そのあと絵本が出版されるのですが、当時のお話もお聞きしました。
絵話塾卒業生のはやし先生から、実際にお話が聞けるいい機会ですね。
はやし先生の授業はダミー本を発表して、直しを繰り返しながらブラッシュアップしていきます。
最後の授業でダミー本を完成するまでが目標です。
『ねこぼん』(偕成社) は、「フェスのように踊りまくる絵本を作りたい」と編集者からの提案で作った絵本。
実際、郡上八幡の盆踊りの取材にも行って、いろんな発見があったようです。
初めは文章を横書きで書いていたのですが、会話文を活かすのに縦書きに変えることになって、
縦書きに合う絵を描き直したというエピソードをお聞きしました。
次に『たんぼレストラン』(ひかりのくに) を読み聞かせていただきました。
生き物図鑑のような『たんぼレストラン』は、ダミーを作る前に実際にゲンゴロウやタガメを飼って観察したり、生き物に触れてスケッチを沢山描いたそうです。
食物連鎖の話でもあるので、途中抜ける場面を作りたかったそう。
その場面のアイデアは、田んぼの近くを車で運転していて、窓の外から米の花の匂いがしてきたそうです。
その匂いから出たアイデア。ぜひ、手に取って読んでみてください。
「アイデアはいつ降ってくるか分からないので、常にアンテナを張っておくこと」と、はやし先生はおっしゃっていました。
11月22日に出版される『クマダさんのドングリコーヒー』は、はやし先生が絵話塾に通っていた時、高科正信先生の課題で書いたお話を絵本にされたそうです。
15年ほど前の課題の作品が絵本になるなんて、皆さんにも夢のある話ですよね。
はやし先生の授業は「直し力」を鍛える授業です。
・直す力を育てる
・絵本のダミーを作る
いいお話を作るのが目標ではなく、一つのお話を直して完成させることが目標です。
初めからきっちり描き込むと、捨てられなくなるので、ダミーはラフでいいです。
はやし先生は、ダミーを描くときクレヨンで描くそうです。
コピー用紙に白色を前面に塗ってから、黒やグレーで絵を描いていくのですが、描き直す時はティシュで拭き取ることが出来るのだそうです。
後半の授業では、「絵のかたまり」 の説明をお聞きしました。
絵本には「絵のかたまり」と「動き」を意識する(に気をつける)。
絵を描くことが苦手な方もいらっしゃいますが、かたまりと線で見せれることが出来ます。
実際にやってみましょう!
黒い紙をランダムに手でちぎって「絵のかたまり」を作ってみましょう。
何かの形が見えてきたら、白いペンで描き込みますが、なるべく手数を少なくして表現しましょう。初めのインスピレーションを光らせて考えて見てくださいね。
絵本の絵は、写実的に描くよりフォルムで形を表し、かたまりを意識して描く方が、楽しい画面として描くことが出来ます。
次回は、絵本のラフを考えてきていただきます。
ダミー本の作り方も教えていただきました。
プロになりたい。作品展で発表したい。家族や友たちに読んでもらいたい。など、皆さん目指すところは違うと思います。
自分が描きたい絵本を目指す(見つける)一年にしてください。
最初に作ろうと思った作品を最後まで仕上げる、「直す力」「やりとげる力」を身に付けてほしい。
とおっしゃっていました。
授業が終わってからも、熱心にダミー本を見たり、質問をしたりと熱い時間が過ぎました。