奈良時代後期の実在の人物である光仁天皇の皇后 井上内親王(いのうえ・いかみ・いのえないしんのう)。
そして、『源氏物語』に登場する冷泉帝の中宮 秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)。
ふたりの共通点は
・天皇の代わりに伊勢神宮に仕える斎王(斎宮)をつとめた
・天皇と結婚
・皇后または中宮(天皇のキサキの中で最上級の身分)になった
この3つです。
歴史上、伊勢の斎王(斎宮)をつとめた皇族女性の中で、天皇と結婚し立后したのは、井上内親王のみ。
『源氏物語』において、六条御息所と亡くなった皇太子との間に生まれた姫宮が、伊勢の斎王を経て、光源氏の養女として冷泉帝へ入内し、中宮となったのは、史実と比較してみても極めて稀なことといえます。
平安時代の『源氏物語』読者は、光源氏の養女なら中宮になって当然!!と思ったのかしら。
あるいは、平安時代は先例を重んじる傾向にあるので、『源氏物語』読者は 、アノ井上内親王と同じように伊勢斎宮を経て中宮(皇后)になるとは忌まわしい・・・と思う人もあったのかしら。
『源氏物語』読者による藤原氏の女性が中宮にならないことに対する批難をかわす意図もあったりして
といいますのも、井上内親王は夫の光仁天皇や光仁天皇の姉を呪詛した疑いをかけられ、息子で皇太子の他戸親王とともに幽閉。
親子で同日に亡くなっています。
呪詛は藤原氏の陰謀で、井上内親王と他戸親王は暗殺されたという見方が有力です。
井上内親王と他戸親王を消すことで、桓武天皇(光仁天皇の子)の即位が実現できました。
死後、怨霊となったor龍になったともいわれる井上内親王。
現在、御霊(ごりょう)として、井上内親王と他戸親王は、奈良県五條市の御霊神社・京都市の上御霊神社に祀られています。
※御霊(ごりょう)・・・怨霊を鎮め神として祀り鎮護の神とすること。
平安時代、藤原氏出身の女性が天皇の中宮になるのは当たり前の時代に、紫式部は『源氏物語』内で皇族女性または源氏の女性を中宮としました。(藤壺中宮・秋好中宮・明石中宮)
後世の『源氏物語』読者が、秋好中宮の経歴から実在した井上内親王を思い浮かべたとしたら・・・どんな印象をもったのでしょう。
■井上内親王=非業の死=不吉なイメージ?
■井上内親王=御霊(ごりょう)=神聖なイメージ?
深読みしすぎかな。
秋好中宮の系図
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そして、『源氏物語』に登場する冷泉帝の中宮 秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)。
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・天皇と結婚
・皇后または中宮(天皇のキサキの中で最上級の身分)になった
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歴史上、伊勢の斎王(斎宮)をつとめた皇族女性の中で、天皇と結婚し立后したのは、井上内親王のみ。
『源氏物語』において、六条御息所と亡くなった皇太子との間に生まれた姫宮が、伊勢の斎王を経て、光源氏の養女として冷泉帝へ入内し、中宮となったのは、史実と比較してみても極めて稀なことといえます。
平安時代の『源氏物語』読者は、光源氏の養女なら中宮になって当然!!と思ったのかしら。
あるいは、平安時代は先例を重んじる傾向にあるので、『源氏物語』読者は 、アノ井上内親王と同じように伊勢斎宮を経て中宮(皇后)になるとは忌まわしい・・・と思う人もあったのかしら。
『源氏物語』読者による藤原氏の女性が中宮にならないことに対する批難をかわす意図もあったりして
といいますのも、井上内親王は夫の光仁天皇や光仁天皇の姉を呪詛した疑いをかけられ、息子で皇太子の他戸親王とともに幽閉。
親子で同日に亡くなっています。
呪詛は藤原氏の陰謀で、井上内親王と他戸親王は暗殺されたという見方が有力です。
井上内親王と他戸親王を消すことで、桓武天皇(光仁天皇の子)の即位が実現できました。
死後、怨霊となったor龍になったともいわれる井上内親王。
現在、御霊(ごりょう)として、井上内親王と他戸親王は、奈良県五條市の御霊神社・京都市の上御霊神社に祀られています。
※御霊(ごりょう)・・・怨霊を鎮め神として祀り鎮護の神とすること。
平安時代、藤原氏出身の女性が天皇の中宮になるのは当たり前の時代に、紫式部は『源氏物語』内で皇族女性または源氏の女性を中宮としました。(藤壺中宮・秋好中宮・明石中宮)
後世の『源氏物語』読者が、秋好中宮の経歴から実在した井上内親王を思い浮かべたとしたら・・・どんな印象をもったのでしょう。
■井上内親王=非業の死=不吉なイメージ?
■井上内親王=御霊(ごりょう)=神聖なイメージ?
深読みしすぎかな。
秋好中宮の系図
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