
金沢の観光スポットレポート その951(No.1360)
◇金沢城公園 石垣巡り‐12 いもり堀付近 石展示場②
■写真はいもり堀

6)石切丁場での石づくり(築石・つきいし)
石垣の石材として一般的な築石(平石)も石切丁場で作られました。
原石に長方形の穴を一列に堀り、矢(クサビ)を打ち込んで割る作業を繰り返して石材を作ります、正面の形よりも全体の大きさを重視す、控え(奥行)を長くとることが特徴です。

■写真は石切丁場での石づくり(築石)

7)細工のある切石
右側は、橋爪門続櫓で角石の隣に置かれた角脇石です。上部にくぼみがつけられ、別の板石材を組み合わせることで、平坦な部分が広げられています。上に積む石を安定させるための工夫と考えられます。
左側は、薄い板状の切石で、修復用として火災で面が剥離した石の前面にはめ込まれたものです。ともに細やかな石加工技術の冴えがうかがえます。
■写真は細工のある切石(右側)


■写真は細工のある切石(左側)

8)鬘石(かずらいし)
厚みのある長方形の石材で、櫓や長屋といった建物を乗せる石垣の最上部に使用されました。菱櫓や五十間長屋の鬘石は、建物材を固定するためホゾ穴が刻まれています。
■写真は鬘石

9)橋爪門続櫓台内部から出土した旧材
橋爪門続櫓台内部には、文化5年(1808)の改修以前の石材が多く埋め込まれていました。
左の石は、面に火災で焼けた鉛瓦がべったりと張り付いていますが、部分的にはがされて
います。万を新たに作り直し、再利用を試みたものと考えらえます。
■写真は橋爪門続櫓台内部から出土した旧材

10)河北門下層遺構出土の石材
平成18~20年(2006~2008)度に実施した河北門の発掘調査で、桝形路面の下層から出土した石垣材です。
大溝の中に金沢城初期(17世紀初めの頃)の土器と一緒に廃棄されていました。石材加工の時期的な特徴がよくわかります。

■写真は河北門下層遺構出土の石材
撮影日:2018.8.17
(つづく)