かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

ノーベル賞作家が見た風景

2014年07月11日 | 旧ブログ記事(岩手・盛岡関係)
かねうりきちじが働いている江刺には、こんな碑があります。



『川端康成ゆかりの地』と刻まれております。

どんなことかというと、今週、ちょっと話題になった、このニュースに関係があります。



川端康成の初恋のひと、伊藤初代さんへの未投函書簡が発見されたというもの。

川端康成は、友人とともに江刺に住む初代さんの父に結婚を申し入れ、認められたものの、数ヶ月後、『ある非常』のために、一方的に手紙によって婚約を破棄されます。

川端康成と江刺のつながりは、それだけなのですが、この出来事は少なからず川端に影響を与えたようです。

というのも、処女作『祟り』では「彼女の父の承諾を得ようと東北の町へ行くと」、自伝的作品と言われる『南方の火』では「君の生まれた岩手県はどのへんにあるか見るんだね」というくだりがあったり、題名そのものにも使われている『非常』には千代から川端に宛てられた手紙がほぼそのまま再現されていたりしているからです。

川端の友人で伊藤初代さんの父に結婚を申し入れた時に同行した友人の鈴木彦次郎は、この碑を建立した時の記念講演で、この破局だけでなく、江刺の心象風景が川端文学に影響を与えたかもしれないとしているようです。

もしかして、初代さんと結ばれていたならば、川端はどんな小説家になっていたのでしょうか・・・・

そう思うと、江刺がノーベル文学賞作家、川端康成の精神世界に影響を及ぼしたとも言えるかもしれません。

ちなみに、碑のすぐ脇には・・・・



こんな展望台があって・・・・



束稲山や栗駒山が一望できますよ。

碑はともかく、若き日の川端康成も見たこの景色を見に週末は江刺においで下さいませm(_ _)m
コメント
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