昨日、『「なぜ戦争になったか」「事実関係を解明できると確信して努力する」「責任」が、長者ヶ原廃寺跡の発掘調査と研究を行っている者の務め』だと記しました。
その理由はこうです。
長者ヶ原廃寺跡を建立したのが誰なのか、歴史書に記されていないので断定はできないのですが、地理的な位置や建立年代から、今から約千年前に、現在の岩手県に勢力を誇った豪族、安倍(あべ)氏であろうということが、ほぼ確実になりました。
この安倍氏には、1993~94年にかけて放映されたNHK大河ドラマ“炎(ほむら)立つ”の主人公、安倍頼時(よりとき)・貞任(さだとう)が含まれます。
このドラマは、朝廷が派遣した源頼義(よりよし)・義家(よしいえ)と、頼時・貞任親子との戦いである、前九年(ぜんくねん)合戦を描いたもので、その印象が強いせいでしょうか、特に岩手県では安部氏は「侵略する朝廷軍に抵抗する地元の英雄」という見方が一般的です。
それはそれで事実の一面を言い当てているのかなと思っていたのですが、長者ヶ原廃寺跡の総括報告書を執筆する前後から、適切な見方とも思わなくなるようになりました。
長者ヶ原廃寺跡(2010年10月2日撮影)とその推定復元図(同じアングルです)
それは、安部氏が建立したと推測される長者ヶ原廃寺跡が、安部氏の私的な祈りのためだけではなく、陸奥(むつ)という広い地域、さらには日本という国の安寧を祈るための寺としても建立されたということが分かってきたからです。
ということは、安部氏は一時期朝廷とは友好関係にあったことになります。
けれども、その後、前九年合戦が始まってしまいます。
それは、何か原因があって、朝廷と安部氏が対立してしまうようになり、やがては双方ともに戦いに踏み込まざるを得ない状況の陥ってしまったことを意味しています。
つまり、戦争というものは、昨日もお話ししたように、「戦争をする、せざるを得ない状況」なった初めて始まるのです。
そういうわけで、まずは前九年合戦の原因を明らかにすることが、かつては朝廷と友好関係にあったにもかかわらず、戦火を交えることとなった安倍氏が建立したお寺の遺跡の発掘・研究と整備を担当している者の最低限の務めだと考えています。
それがはっきりすれば、「戦争をする、せざるを得ない状況」も明らかになり、そうならないため、すなわち戦争を防ぐためにはどうすればよいのかということも明らかになると信じています。
戦争を防ぐ出発点、長者ヶ原廃寺跡がそんな評価をされる日は、きっとやって来るはずです。
その理由はこうです。
長者ヶ原廃寺跡を建立したのが誰なのか、歴史書に記されていないので断定はできないのですが、地理的な位置や建立年代から、今から約千年前に、現在の岩手県に勢力を誇った豪族、安倍(あべ)氏であろうということが、ほぼ確実になりました。
この安倍氏には、1993~94年にかけて放映されたNHK大河ドラマ“炎(ほむら)立つ”の主人公、安倍頼時(よりとき)・貞任(さだとう)が含まれます。
このドラマは、朝廷が派遣した源頼義(よりよし)・義家(よしいえ)と、頼時・貞任親子との戦いである、前九年(ぜんくねん)合戦を描いたもので、その印象が強いせいでしょうか、特に岩手県では安部氏は「侵略する朝廷軍に抵抗する地元の英雄」という見方が一般的です。
それはそれで事実の一面を言い当てているのかなと思っていたのですが、長者ヶ原廃寺跡の総括報告書を執筆する前後から、適切な見方とも思わなくなるようになりました。
長者ヶ原廃寺跡(2010年10月2日撮影)とその推定復元図(同じアングルです)
それは、安部氏が建立したと推測される長者ヶ原廃寺跡が、安部氏の私的な祈りのためだけではなく、陸奥(むつ)という広い地域、さらには日本という国の安寧を祈るための寺としても建立されたということが分かってきたからです。
ということは、安部氏は一時期朝廷とは友好関係にあったことになります。
けれども、その後、前九年合戦が始まってしまいます。
それは、何か原因があって、朝廷と安部氏が対立してしまうようになり、やがては双方ともに戦いに踏み込まざるを得ない状況の陥ってしまったことを意味しています。
つまり、戦争というものは、昨日もお話ししたように、「戦争をする、せざるを得ない状況」なった初めて始まるのです。
そういうわけで、まずは前九年合戦の原因を明らかにすることが、かつては朝廷と友好関係にあったにもかかわらず、戦火を交えることとなった安倍氏が建立したお寺の遺跡の発掘・研究と整備を担当している者の最低限の務めだと考えています。
それがはっきりすれば、「戦争をする、せざるを得ない状況」も明らかになり、そうならないため、すなわち戦争を防ぐためにはどうすればよいのかということも明らかになると信じています。
戦争を防ぐ出発点、長者ヶ原廃寺跡がそんな評価をされる日は、きっとやって来るはずです。