薪ストーブ暮らしが大好きでブログ書いてます。
燃焼のこと、薪作りやメンテナンスのこと、そんな写真と駄文で毎日更新!
薪ストーブ|薪焚亭
薪ねぇ

薪ストーブはとにかく暖かかったし楽しかったし、ゆったりとして優雅な気分にもなれた。 けれど、無情にも用意した薪は直ぐに無くなった。 そして薪ストーブの美点利点の代価はあまりに大きいものだと知らされた。 灯油暖房の方がはるかに経済的だ。 が、しかし、今さら気づいてももう遅いのだった。 東北の冬、家族みんな薪ストーブから離れられなくなってしまっていた。
薪ストーブを取り入れたら誰でも1度は考えるであろうこと、それは薪の自己調達だ。 それは燃料コストを下げたいと切実に、でも安直に考えた結果、最初に思いつく浅はかなことだ。 当時ボクも必死でそうだった。 もちろんコスト面でのことだけじゃない。 誰かの二番煎じな憧れと知りつつ、それでも自分は薪焚人であると自称したかったからだと思う。 それには自分で薪作りから始めることが正しい、と言うか、そうしなければならないと思い込まされていた。 巷の雑誌やインターネットの情報はボクをそんな幻想の実現に駆り立てたのだ。 だから翌2004年は薪になる原木さがしに明け暮れた。
いつも誰かに声をかけていた。 タダでもらえる原木をさがし続けていた。 そして、運が良ければ菓子折り一つで原木を手に入れることもできた。 けれど、そんな原木集めのプロセスは楽しかったかい? と、自問してみれば、実は楽しいことなんて殆どなかったのだ。 しかもだ、費やした時間を考えたらタダほど高い物はないと、結果としてそんなことになってしまってた。 なんか変だ。 何かが違う。 考えていた薪ストーブライフはこんなんじゃなかった筈だ?! ボクには薪集めの他にやりたいこと、やらねばならぬことがたっくさんあるのだ。 それらを全て犠牲にし、腰を低くしてペコペコと原木をさがし続けることは容易ではないし、楽しくもない。
もしボクが森林に住み、家の周りにはたくさんの木々があって、それを自由に管理できる状況と立場にあるならば、迷わず原木の伐採から始めて薪作りに励むだろう。 萌芽再生の壮大な自然時間のサイクルに身を置き、そしてそれを自分のライフスタイルとして楽しむに違いない。 けれど今の棲家はそんなこととは全くかけ離れた環境であり、そしてとうぶんそんな街から離れられない現実がある。
そんな訳で結局、翌年からはタダの原木をさがし回ることをキッパリと止めてしまった。 誰かからの善意で声がかかった時だけありがたく頂戴するスタンスに切り替えた。 そして薪にする原木は原則として林業に携わる業者から購入することにしたのだ。 注文すれば楢だけの原木を運んでもらえるし、何と言っても立派な原木が届くのが嬉しい。 コスト的にもタダの薪を求めて彷徨っていた時よりトータルで考えたら十分に安いと思った。 そして何よりも原木調達の呪縛から解き放たれ、自分のペースで薪を作り乾燥させてシーズンを迎えることができるようになったことで、ゆったりと流れる上質なゆとりある時間が戻ってきたのだから、こんな安楽なことはない。
吾が家では2台の薪ストーブで1シーズンに45cm長の薪を500束程度焚くから、きっとヘビーユーザーにあたると思う。 これを完成品の薪として購入するとなるとそれなりに結構な金額だ。 けれど趣味が薪割りということもあり資源コストはおよそ1/3の原木代で済んでいる。 もちろん 薪つくりのコスト で書いたように道具をそろえる費用は別に必要だから、最終的には原木で薪を作ることは決してローコストにはならないし、むしろ完成品の薪を買うより高上がりになると思う。 それでも、今もこうして薪を自作し続けることは、街に住みながらもせめて最低限の薪作りにだけは拘り続け、自称薪焚人でありたいからなのだと思う。
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