かの東京大学の一角にバカ田大学が開校した。
早稲田の隣、じゃない。
赤塚不二夫生誕80周年のイベントだ。
各界の著名人が日替わりで1時間の講義をする。
鴻上尚史さんの講義に行きたかったのだけれど、チケットが取れず、第二希望の茂木健一郎さんの講義に夫と出かけて行く。
東大に行くのはもちろん初めて。
平日なので、赤門前で夫と待ち合わせ。
地下鉄の駅を降りて、こっちかな、と見切り発車で歩き出す。
駅からすぐ、をイメージしていたので歩きながら不安になり、
佐川急便のお兄さんにこの方向でいいかどうかをついつい尋ねてしまう。
お兄さんは、「あってますよ。もう少し行くと右に見えてきます」とちょっとクスって感じで教えてくれた。
初めての東大の印象は、とにかく広い
都心にこの面積って固定資産税はいったいとか下世話なことを考えてしまう。
以前、学習院に行ったときも、あまりの広さに驚いたものだ。
都心の駅前に馬場まであって、夜なら遭難しそう、なんて感じたくらい。
暗闇の中にぼんやりと浮かび上がる安田講堂を見ながら、そのすぐ右手の山上会館へ。
受講票とノートを受付でいただき、席に着く。
もっと、満席状態なのかと思ったら意外とそうでもなかった。
そうこうしているうちに、ラフな姿の茂木先生が登場し、「天才とはなにか」についての講義が始まる。
そもそもの共通認識を、ってところから、むずかしくてついていけない。
茂木先生はどうやら、がりがりと勉強をして努力で東大に入ったり、
その上を目指して地位を確立した人たちを天才とは認めないらしい。
天才とまでは行かなくても、東大に入れるくらい努力できるってことがそもそも才能なんじゃないか、
などど超凡人は思ってしまう。
勉強をし続ける、とか集中力を持続させる、とか、そのことを苦と思わないっていう才能もあるはずだ。
少なくとも私にはない・・・。
天才=賢さ×愚かさ
と茂木さんはおっしゃる。
なんとなくわかる気がする、と思ったのは講義終了後の質疑応答の時間。
たくさんお勉強をして、高学歴とお見受けする皆さんが自信たっぷりに放つ質問、と言うか持論がどうも論点がずれている。
そのことを茂木さんが指摘しても、話しは堂々巡り。
自信あふれる皆さんは、自身のお考えをやわらかく否定されていることにいっこうに気付かないご様子。
ご自身を天才かのようにおっしゃっている方や、天才の作り方がわかった、などとおっしゃる方も。
ちょっとヤバい・・・。
確かに成績はいい方々のようだが、あきらかに天才ではないなあ。
苦笑しながらも一人一人に丁寧に答えてらっしゃる茂木さんの様子がいきなり豹変したのは、最後の質問者が手を挙げたとき。
私達の右斜め前、教室の中央にたくさんの荷物を広げて座っている彼女は、確かに最初からちょっと違和感があった。
講義中、一人でぶつぶつ話し出したり、五郎丸のようなポーズをしたかと思えば、お祓いのように手を振ったり・・・。
健一郎さん、と呼びかける彼女に、茂木さんの物言いは冷たい。
なんとなく皆がきょとんとしていると、「彼女は僕のストーカーなんです」とおっしゃる。
茂木さんのサイトに1日に何度も書き込みをし、このテの講演にも顔をだし、よくわからない質問をしているらしい。
ちょっとスリリングな空気が教室内に漂う。
時間も過ぎたことだし、と質問を打ち切って片づけを始めた茂木さんの元へ、花を携えて彼女が近づいて行ったが、
私達はその結果を見ずに教室を後にした。
結果的になんだか不思議なことになってしまったけれど、楽しくも貴重な経験だった。
こんなことでもなければ、東大に足を踏み入れることなんて死ぬまでなかったと思う。
大学生の頃を思い出し、今から学校に行ったらもっとまじめに勉強するのになあ、なんて思った夜でした。
早稲田の隣、じゃない。
赤塚不二夫生誕80周年のイベントだ。
各界の著名人が日替わりで1時間の講義をする。
鴻上尚史さんの講義に行きたかったのだけれど、チケットが取れず、第二希望の茂木健一郎さんの講義に夫と出かけて行く。
東大に行くのはもちろん初めて。
平日なので、赤門前で夫と待ち合わせ。
地下鉄の駅を降りて、こっちかな、と見切り発車で歩き出す。
駅からすぐ、をイメージしていたので歩きながら不安になり、
佐川急便のお兄さんにこの方向でいいかどうかをついつい尋ねてしまう。
お兄さんは、「あってますよ。もう少し行くと右に見えてきます」とちょっとクスって感じで教えてくれた。
初めての東大の印象は、とにかく広い
都心にこの面積って固定資産税はいったいとか下世話なことを考えてしまう。
以前、学習院に行ったときも、あまりの広さに驚いたものだ。
都心の駅前に馬場まであって、夜なら遭難しそう、なんて感じたくらい。
暗闇の中にぼんやりと浮かび上がる安田講堂を見ながら、そのすぐ右手の山上会館へ。
受講票とノートを受付でいただき、席に着く。
もっと、満席状態なのかと思ったら意外とそうでもなかった。
そうこうしているうちに、ラフな姿の茂木先生が登場し、「天才とはなにか」についての講義が始まる。
そもそもの共通認識を、ってところから、むずかしくてついていけない。
茂木先生はどうやら、がりがりと勉強をして努力で東大に入ったり、
その上を目指して地位を確立した人たちを天才とは認めないらしい。
天才とまでは行かなくても、東大に入れるくらい努力できるってことがそもそも才能なんじゃないか、
などど超凡人は思ってしまう。
勉強をし続ける、とか集中力を持続させる、とか、そのことを苦と思わないっていう才能もあるはずだ。
少なくとも私にはない・・・。
天才=賢さ×愚かさ
と茂木さんはおっしゃる。
なんとなくわかる気がする、と思ったのは講義終了後の質疑応答の時間。
たくさんお勉強をして、高学歴とお見受けする皆さんが自信たっぷりに放つ質問、と言うか持論がどうも論点がずれている。
そのことを茂木さんが指摘しても、話しは堂々巡り。
自信あふれる皆さんは、自身のお考えをやわらかく否定されていることにいっこうに気付かないご様子。
ご自身を天才かのようにおっしゃっている方や、天才の作り方がわかった、などとおっしゃる方も。
ちょっとヤバい・・・。
確かに成績はいい方々のようだが、あきらかに天才ではないなあ。
苦笑しながらも一人一人に丁寧に答えてらっしゃる茂木さんの様子がいきなり豹変したのは、最後の質問者が手を挙げたとき。
私達の右斜め前、教室の中央にたくさんの荷物を広げて座っている彼女は、確かに最初からちょっと違和感があった。
講義中、一人でぶつぶつ話し出したり、五郎丸のようなポーズをしたかと思えば、お祓いのように手を振ったり・・・。
健一郎さん、と呼びかける彼女に、茂木さんの物言いは冷たい。
なんとなく皆がきょとんとしていると、「彼女は僕のストーカーなんです」とおっしゃる。
茂木さんのサイトに1日に何度も書き込みをし、このテの講演にも顔をだし、よくわからない質問をしているらしい。
ちょっとスリリングな空気が教室内に漂う。
時間も過ぎたことだし、と質問を打ち切って片づけを始めた茂木さんの元へ、花を携えて彼女が近づいて行ったが、
私達はその結果を見ずに教室を後にした。
結果的になんだか不思議なことになってしまったけれど、楽しくも貴重な経験だった。
こんなことでもなければ、東大に足を踏み入れることなんて死ぬまでなかったと思う。
大学生の頃を思い出し、今から学校に行ったらもっとまじめに勉強するのになあ、なんて思った夜でした。