チェーホフの四大戯曲を、ケラリーノ・サンドラヴィッチさんが演出するシリーズの
第三作目は「ワーニャ伯父さん」
初台の新国立劇場、小劇場へ出かけて行く。
チェーホフの戯曲は、私にはなんだか難しい。
社会科をちゃんと勉強してこなかったために、地理も歴史も疎い私にとって、
海外翻訳モノは基本的にちょっとわかりにくい。
まして、ロシアは名前や地名がむずかしい。
時代背景や社会状況がぼんやりしているので、そこをもっと知っていれば
格段におもしろくなるにちがいない・・・といつも思っている。
終演後パンフレットを熟読して、ああこういうことだったのか、とようやく理解する。
ただ、面白いお芝居は、そんなことを知らなくても、その場でちゃんとイメージをそこそこ共有できる。
ケラさんのチェーホフはそんな私にもわかりやすい。
チェーホフの戯曲には、必ずなんだか損な役回りの人(達)が登場して、
なにやらぶつぶつ言っている気がする。
かといって、その人が同情を誘うほどいい人でもない。
今回ワリを喰っているのは、タイトルにもなっているワーニャ伯父さん(段田安則さん)。
ワーニャは亡き妹の夫である大学教授(山崎一さん)を崇拝して、
妹の死後も彼のために、姪のソーニャと共に一生懸命働き、仕送りを続けていた。
その教授が若い後妻エレーナ(宮沢りえさん)を連れて、妻の実家である田舎屋敷に戻ってきて、
ワーニャや先妻の娘ソーニャ(黒木華さん)や母親(立石涼子さん)や使用人や近所の人たちを振り回す。
屋敷に呼ばれてやってくるちょっとかっこいい医者(横田栄司さん)巡って、後妻と娘はお互いに猛アピール。
後妻に思いを寄せるワーニャは全く相手にされず・・・。
けなげで地味なソーニャよりも華やかで美しいエレーナを好きになっってしまう医者。
田舎での退屈な日々の中、若く聡明な医者に惹かれて行くエレーナ。
とにかくわがままを言い続ける教授・・・と、屋敷の中はグダグダだ。
そんな中、教授のために身を粉にして働き、家と土地を必死で守ってきたワーニャとソーニャの前で、
教授があまりにも身勝手な提案をしたために、ついにワーニャがブチ切れて、暴れだす。
段田さんは、皮肉屋で卑屈ででも根が真面目なワーニャにあまりにもはまっていて、
日本人であることを忘れてしまいそう。
とにかく高飛車で感じの悪い教授の山崎さんもぴったり。
地味なお顔の黒木さんは、控えめで、ひたすら片思いしている娘そのもので、
抱きしめてあげたくなる。
それにしても宮沢りえさんの美しさったらどうだろう!
遠目で見てもはっきり美しい。
田舎で退屈していて、男たちから注目されているけれど、なんだか嫌味が無くてチャーミング。
最後はみんなそれぞれの道に進んで行って、といってもワーニャとソーニャは田舎に残るのだけれど、
それぞれにちょっと力強さが加わって、ちょっと前向きな感じになるような・・・。
後味は決して悪くないラストでほっとして劇場を後にしたのでした。
それにしても、今回は劇場にたどり着く前が大変だった。
電車に乗っていたら、現地で待ち合わせをしている友人からLINEが入る。
都営新宿線が人身事故で止まっている・・・と。
私も途中からこの電車に乗る予定だったが、友人は路線が違うので、もっと手前の駅ですでに乗っている。
この情報のおかげで、私は違う路線に乗り換えて、ぎりぎり開演に間に合った。
友人は、と言うと一時間近く遅れて休憩時間の少し前に到着。
その時乗っていた電車内で、そんなアナウンスは全然なかったので、
彼女からの情報が無ければ乗換駅まで行ってからまた戻って路線を変更して・・・ってことになっていた。
そしたら完全に間に合わなかった。
乗換駅を通るんだからなぜアナウンスをしないんだろう。
エアコンは送風になってる、とかどうでもいいアナウンスは何度もするのに。
なんだかバタバタして疲れたので、帰りは新宿伊勢丹でちょっとゆっくりお茶して、
家に帰って、またバタバタと夕飯の支度をするのでした。
ワーニャのようにブツブツ言いながら・・・。
第三作目は「ワーニャ伯父さん」
初台の新国立劇場、小劇場へ出かけて行く。
チェーホフの戯曲は、私にはなんだか難しい。
社会科をちゃんと勉強してこなかったために、地理も歴史も疎い私にとって、
海外翻訳モノは基本的にちょっとわかりにくい。
まして、ロシアは名前や地名がむずかしい。
時代背景や社会状況がぼんやりしているので、そこをもっと知っていれば
格段におもしろくなるにちがいない・・・といつも思っている。
終演後パンフレットを熟読して、ああこういうことだったのか、とようやく理解する。
ただ、面白いお芝居は、そんなことを知らなくても、その場でちゃんとイメージをそこそこ共有できる。
ケラさんのチェーホフはそんな私にもわかりやすい。
チェーホフの戯曲には、必ずなんだか損な役回りの人(達)が登場して、
なにやらぶつぶつ言っている気がする。
かといって、その人が同情を誘うほどいい人でもない。
今回ワリを喰っているのは、タイトルにもなっているワーニャ伯父さん(段田安則さん)。
ワーニャは亡き妹の夫である大学教授(山崎一さん)を崇拝して、
妹の死後も彼のために、姪のソーニャと共に一生懸命働き、仕送りを続けていた。
その教授が若い後妻エレーナ(宮沢りえさん)を連れて、妻の実家である田舎屋敷に戻ってきて、
ワーニャや先妻の娘ソーニャ(黒木華さん)や母親(立石涼子さん)や使用人や近所の人たちを振り回す。
屋敷に呼ばれてやってくるちょっとかっこいい医者(横田栄司さん)巡って、後妻と娘はお互いに猛アピール。
後妻に思いを寄せるワーニャは全く相手にされず・・・。
けなげで地味なソーニャよりも華やかで美しいエレーナを好きになっってしまう医者。
田舎での退屈な日々の中、若く聡明な医者に惹かれて行くエレーナ。
とにかくわがままを言い続ける教授・・・と、屋敷の中はグダグダだ。
そんな中、教授のために身を粉にして働き、家と土地を必死で守ってきたワーニャとソーニャの前で、
教授があまりにも身勝手な提案をしたために、ついにワーニャがブチ切れて、暴れだす。
段田さんは、皮肉屋で卑屈ででも根が真面目なワーニャにあまりにもはまっていて、
日本人であることを忘れてしまいそう。
とにかく高飛車で感じの悪い教授の山崎さんもぴったり。
地味なお顔の黒木さんは、控えめで、ひたすら片思いしている娘そのもので、
抱きしめてあげたくなる。
それにしても宮沢りえさんの美しさったらどうだろう!
遠目で見てもはっきり美しい。
田舎で退屈していて、男たちから注目されているけれど、なんだか嫌味が無くてチャーミング。
最後はみんなそれぞれの道に進んで行って、といってもワーニャとソーニャは田舎に残るのだけれど、
それぞれにちょっと力強さが加わって、ちょっと前向きな感じになるような・・・。
後味は決して悪くないラストでほっとして劇場を後にしたのでした。
それにしても、今回は劇場にたどり着く前が大変だった。
電車に乗っていたら、現地で待ち合わせをしている友人からLINEが入る。
都営新宿線が人身事故で止まっている・・・と。
私も途中からこの電車に乗る予定だったが、友人は路線が違うので、もっと手前の駅ですでに乗っている。
この情報のおかげで、私は違う路線に乗り換えて、ぎりぎり開演に間に合った。
友人は、と言うと一時間近く遅れて休憩時間の少し前に到着。
その時乗っていた電車内で、そんなアナウンスは全然なかったので、
彼女からの情報が無ければ乗換駅まで行ってからまた戻って路線を変更して・・・ってことになっていた。
そしたら完全に間に合わなかった。
乗換駅を通るんだからなぜアナウンスをしないんだろう。
エアコンは送風になってる、とかどうでもいいアナウンスは何度もするのに。
なんだかバタバタして疲れたので、帰りは新宿伊勢丹でちょっとゆっくりお茶して、
家に帰って、またバタバタと夕飯の支度をするのでした。
ワーニャのようにブツブツ言いながら・・・。