ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

伯母とのお別れ

2024年10月29日 | 思い出

「ゆるいお茶会」が無事に終わり

みんなでお片付けをしていた時に、

伯母の訃報が届いた。

 

母の姉である97歳の伯母は、

乳がんを患っており、10月いっぱいもつかどうか、と言われていた。

翌日になって葬儀の日程が決まり、

91歳の母を連れて、妹二人とともに母の実家がある仙台に向かった。

 

今年二月に母の妹である叔母が亡くなった時は、

私が股関節の手術まで日が無いこともあり、

家族葬だから参列しなくてもいいよ、

と言うお言葉に甘えてお別れに行けなかった。

 

今回は、足も良くなったので、ちゃんとお別れできる。

 

伯母は20年余り前に夫を亡くし、

子供がいなかったので、いとこの一人が成年後見人となっていた。

 

認知症になり、施設でお世話になってから10年近くたっただろうか。

 

葬儀は菩提寺のご住職からの提案で、

お通夜をしない「一日葬」にするという。

 

仙台がそうなのか、宗派がそうなのかわからないが、

今までの仙台での葬儀は、

お通夜の翌朝、

先に火葬場に行って、遺骨を祭壇に祀ってから告別式となるため、

朝が早い。

 

伯母の葬儀も朝8時半に斎場に集合だったので、

前日の夕方に仙台入りし、斎場に近いホテルに泊まった。

 

97歳の大往生だったので、

雰囲気がなんとなく明るい。

 

なにより、伯母が明るい人だったので、

思い出話も明るい話ばかりなのだ。

 

子供がいない叔母は、私たち姉妹を娘のように気にかけてくれて、

いろいろなものを送ってくれた。

 

いちご狩りに行けばイチゴを。

サクランボ狩りに行けばサクランボを。

山菜をとれば塩漬けにして送ってくれる。

デパートでおいしそうなお菓子を見つけたらそれも。

息子たちが一度お美味しいと言ったものは何度も送ってくれるし、

手作りの物も送ってくれた。

 

ちょっとせつない手作りオーナメント - ゆるゆるらいふ

 

いつのころからか、少しずつそういう物が届かなくなり、

伯母の老いを感じて寂しくなったものだ。

若いころには、送料のほうが高いから送ってくれなくてもいいのにな、

と申し訳なく思ったりしたけれど、

いざ、届かなくなってしまうと、あの頃が懐かしい。

 

伯母はそれを楽しんでいたのかもしれないし、

孫のように思ってくれていた息子達からのお礼の電話も嬉しかったのかもしれない。

 

無償の愛情で自分たちを気にかけてくれた人たちが

一人二人といなくなっていく。

 

四十九日法要までを告別式の後に続けておこなったあと、

親戚一同でお食事をいただく。

 

いとこたちと会うのは久しぶりだけど、

会うのはいつも悲しい席ばかりだ。

 

来年あたり、いとこ会をやろう!、といとこの一人が言う。

彼は有言実行タイプなので、おそらく実現するだろう。

 

余裕を持って帰りの新幹線を予約したつもりが、

それほど余裕がなくなってしまい、

駅ビルの中でバタバタとお土産を買ってホームに上がると、

めちゃめちゃ派手な電車が停まっている。

 

え?ホームを間違えた?

とあせったけれど、

ちゃんと東京行の新幹線だ。

 

まさかのディズニーのラッピング車両!

 

とにかく華やか

 

いつも楽しいことを言った後に

いたずらっ子のように「にっ!」と笑う伯母の顔が浮かぶ。

楽しい気持ちで帰ってね、と言われてるようだ。

 

最後のほうの数年はもう私たちのことをわからなくなっていたけれど、

私たちは伯母が注いでくれた愛情をしっかりと覚えている。

 

長い間ありがとうございました。

心からご冥福をお祈りします。

 

合掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ちりとり」をチョイスしたら思い出した「醤油さし」のこと

2020年09月08日 | 思い出

日本橋高島屋で開催されていた民藝展を見に行って、寄木細工のちりとりを買ったことを数日前に書いた。

ちりとりはとても使いやすくて、

テーブルの上の食べこぼしとか、

シュレッダーで粉砕された小さな紙片がこぼれたのとか、

ささっと掃けてストレスフリー。

それにしても

あのとき民藝展には実にたくさんの素敵なものが展示されていた。

美しい色の陶器やガラス。

小さくて軽くて使いやすそうな鉄のフライパン。

伝統の織物。

幻想的なろうそくと燭台。

どれも立ち止まってじ~っと眺めて欲しいな~と思いつつ結局買ったのは「ちりとり」。

あんなにいろいろあったのに、ちりとりを買ってきたんだあ、なんて思い返していたら、遠い昔の「醤油さし」を思い出した。

それは、高校を卒業後、進学のために上京して間もないころのこと。

すでに、東京にいた(正確には神奈川だけど)3つ年上のイトコが、食事に誘ってくれた。

その日は叔父と叔母も上京していて、一緒にランチをごちそうになった後、入学祝に何か新生活に必要なものを買ってあげる、と渋谷東急の食器などを売っている売場に連れて行ってくれた。

好きなものを、と言われても、まったく思い浮かばなかった私は、その時ホントに持っていなかった「醤油さし」を指さした。

おそらく1000円したかしないかのどこにでも売っている普通の醤油さし。

あの時の3人の「え?」っていう顔は今でも目に浮かぶ。

私は嬉しくて、大満足だったのだけれど、

それだけではなんだかちょっと、と思ったらしい叔母が一瞬消えたと思ったら図書券を買ってきて手渡してくれた。

あとになって、なんでもう少し気の利いたものを思いつかなかったんだろう、と申し訳なく思ったものだ。

デパートの食器売場なんて行ったことが無かった田舎から出てきたばかりの女の子には、東急の食器売場はキラキラしすぎてどうしていいかわからなかったのかもしれない。

その時の醤油さしは恐ろしく丈夫で、結婚するまで引っ越しのたびに持ち歩き、数十年たった今も母が使っている。

叔父は10年以上前に亡くなり、叔母は90歳を過ぎて施設で暮らしている。

あの時も、その後も彼らはいつも穏やかで優しくて、その思い出は大切な宝物だ。

「ちりとり」をチョイスしたことで、思いがけない引き出しが開いた。

二度おいしい、とはこのことだろうか・・・。

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