ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて

2018年03月30日 | 演劇

「PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて」
TEAM NACKS
赤坂ACTシアター

タイトルの「PARAMUSHIR」なんて読むんだろう?
英語?
って思って調べてみたら、「幌筵(パラムシル)」という島の名前だった。
北方領土のもっと先のほう、オホーツク海に浮かぶ島。

終戦時、司令部の合った幌筵島の北東にある占守(しゅむしゅ)島での戦いを描いた、実話に基づく舞台。

開演と同時に爆撃音と悲痛な叫び。
舞台の上には傾いた戦車。

そして、場面はその数日前にさかのぼる。

数日前に、日本は無条件降伏し、兵士たちは撤退の準備を進めていた。
燃料のドラム缶を浜に埋め、武器を捨て、家族のもとに帰ってから未来を考えていた。

なのに・・・。

終戦の3日後、突然ソ連軍が攻めてくる。

皆、戦意を失い、武器も燃料も無いのに、だ。

別々の隊から、何とか生き延びてきた寄せ集めの兵士が、わずかの武器と思いつく限りの知恵と勇気で抗戦し、ソ連軍に大きなダメージを与えて、
実質勝利となるが、たくさんの犠牲者が出てしまう。

彼らはソ連軍が北海道に攻め入り、自分たちの大切な人達や、島から避難した人達を守るために必死で戦った。

けれど、この、北の果ての小さな島での孤独な戦いのことはほとんど知られていない。

テレビなどでは、コミカルなイメージのNACSの皆さんのシリアスなこと。

この、寄せ集めの小隊の指揮官、小宮少尉は森崎博之さん。
優秀な家族の中で、手柄を立てられず、コンプレックスをかかえながらも、思いやりのある上官を優しく演じていた。

薄幸の生い立ちながら、やっと愛する人に巡り合い、子供が生まれた知らせを受けながらも、子供の顔を見ることなく戦死してしまう田中二等兵を戸次重幸さん。
なんだか頼りないけれど、明るく前向きで、みんなに愛される下っ端の兵士の姿が、戦死した時の悲しさをより際立たせる。

南方の戦線で、仲間を死なせて自分だけが生き残ったことに罪悪感を持つちょっとすさんだ矢野整備兵は、音尾琢真さん。
ことあるごとに、死んだ仲間の幻をみて罪の意識にさいなまれるが、皆の励ましでやっと前を見られるようになったと思ったら、銃弾に倒れてしまう。

函館に妻子を残し、やっと会えるのを楽しみに帰郷の準備をしていたのに、戦いに巻き込まれる中間管理職の水島軍曹は大泉洋さん。
日頃のおちゃらけムードはぐっと抑えて、慈愛に満ちた理解ある軍曹を演じている。
時折の掛け合いで笑いを取る間の良さみたいなものはさすが。

家族も戦友もすべて亡くし、自暴自棄になって、いつでも死んでやる、的な行動で皆を困らせる桜庭上等兵を安田顕さん。
暗く陰のある役なのに、メンバーに時々突っ込まれて真面目に振り回される姿がキュート。
一番死んでもいいって言ってたのに、結局彼だけが生き残る。

大きな爆撃音が静まって、舞台は現代へ。
役人と一緒に島に慰霊に訪れた遺族たち。

高飛車で、慰霊の時間を少しでも短くしようと遺族に対して心無い言葉を浴びせる若造が、いかにもいそうで腹立たしい。

ここで桜庭軍曹が亡くなった戦友たちに呼びかける、がこのセリフがちょっと長すぎて、中だるみしたかも。

ああ、これがあの時言ってた子供たちなんだな、って人たちもいて、親の顔を見ることもできなかった理不尽をしみじみと感じる。

彼らの中で、戦争は終わったはずだった。
本土では悲しみに暮れながらも安堵の気持ちが広がっていた中、わずかな人数の兵士たちが人知れず戦っていたことを思うと、胸が苦しくなる。

このことにスポットを当てたこともびっくりだし、ただ悲惨な話では終わらず、兵士たちが終始前を見て、希望を捨てずにいる姿が、
そして絶望的な状況の中でも少しでも明るく生きようとしている様子が、井上ひさしさんの舞台にも通ずるものがある気がして、深く心にしみ込んだ。

上層部は彼らを見捨てた。
現代も、政府は弱いものを簡単に見捨てている気がする。

いつの世も想像力を欠いた人たちが上に立つとろくなことがない。

などと余韻に浸っていると、カーテンコールはいきなり明るい「あいうえお作文」で大爆笑。
お題は、この日にちなんで「まりもの日」
ちょっと出ていた涙がどこかへ行ってしまった。

劇場を出ると、満開の桜がライトアップされて美しい。



何やらきな臭い出来事が多い昨今、想像力の欠落しているえらい人たちにこそ、見てほしい舞台だと心から思った。












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チャレンジ!オーガナイズ

2018年03月29日 | 暮らし

一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会の造語「ライフオーガナイズ」は、暮らしを最適化するための考え方。

この考え方に基づき、思考や感情の整理から始めて、そこに住む人自身が使いやすく戻しやすい仕組みを作り、「捨てる」から始めない片付けを提案するのがライフオーガナイザー®️という職業の人たちだ。

いわゆる整理整頓ではなく、その人の考え方、くせなど、ライフスタイルを丁寧にヒヤリングしたあと、家事動線なども含めて、理論的に片付けてゆくというアプローチがストンと腑に落ちた。

で、ライフオーガナイザー®️1級の勉強をしてみることにした。
なぜなら、私も片付けられない人だから。

1月末から月1回丸一日の講座に参加し、そこそこハードな宿題を提出し、そして昨日、講義の最後に2時間の試験を受けて、講座は終了した。

最後の日にも宿題が出て、それを提出したらあとは試験の結果を待つこととなる。

2回目の講座の時に出た宿題は、実際にどこかをオーガナイズする、というもの。
部屋全体でも、押し入れなどの一部分でもいい、とのこと。

我が家にはリビングの隣に設計の時に「プレイルーム」と称した6畳の部屋がある。
家を建てたとき、息子たちは小学生。
友達が来たときなど、この部屋の中なら好きに散らかしていい、だけど、リビングは散らかさないで、というコンセプトで作った部屋だ。

そして、好き放題に散らかしたまま彼らは成人し、今ではゲームや漫画が溢れ変える「オタク部屋」と化している。

ここにしよう。

でも、全部やっていてはとても宿題の提出に間に合わないので、「一部分」の壁付けの本棚だけを。

この宿題は、実際にクライアントがいると想定して作業を始める。

まずはヒアリング。

クライアントってことにした息子にインタビューしたり、ヒアリングの質問の答えを書いてもらったり、利き脳や、行動タイプのチェックをしたり。

「お困りのことはなんですか?」
なんて聞いてみると、「単位が足りない」とか「お父さんがうるさい」とかわけのわからないことを言う。

「部屋が片付いたらどんな気持ちになりますか?」
と聞いたら「真人間になった気がする」とのこと。

では、なっていただきましょう。

「利き脳」によって、特徴が違うということを考慮してのアプローチもライフオーガナイズの特徴の一つ。
インプットの脳とアウトプットの脳がそれぞれ、右脳か左脳かをチェックする。

息子はどちらも右脳。

片付けの時には、インプットは探すとき、アウトプットは片付けるときと解釈している。
どちらも右脳の息子には、きっちりファイリングするよりも、色や形、感情的な部分に訴える片付け方、探しやすさを考えながら片付けていこう。
「右・右」タイプの人は「見えない」と「無かった」ことになる傾向があるので、このあたりも要注意だ。

まずは、現状把握。





相当やばい

本棚に入っている雑多なものたちを出して、分類する。
今回は、
「今後読み返す(使う)もの」
「あまり読み返さない(使わない)が思い出もの(アルバム・文集・お土産など)」
「ほかの部屋に持っていくもの」
「処分するもの」
の4つにざっくり分ける。

私に全部捨てられると困る息子は、めずらしく積極的に片付けに参加する。

そうして処分が決定した本やゲームはものすごい量だ。





これじゃあ、単位も足りなくなるはずだ。

処分することに決めた本は、雑誌も含めて200冊はあるだろう。

雑誌は市の資源回収へ。
その他はメルカリやブックオフへ。

小学校の時からの文房具は、使いかけでも引きとって寄付してくれる「ワールドギフト」へ。

分けたら、戻すものを選別する。

ライフオーガナイザーⓇは基本的にはそのお宅にあるもので収納するので、ライフオーガナイザーⓇもどきの私は発掘したVHSビデオテープと棚板で簡易的に棚を作ろう。



コミックスの高さにちょうどいい。

本人の引っ張り出しやすい場所に自ら戻してゆく。



途中から夫も参戦し、一日約4時間足掛け3日で、夢のようにきれいになった。





やればできるじゃないの

息子は黙々とメルカリに出品し、私はブックオフに送るものを段ボールに詰める。

はたして、真人間になれたのだろうか・・・。

そして、報告書をまとめ、無事提出して、試験を受けることができた。

この調子で、少しづつ家の中を片付けていこう、と雑然とした洗面所を見渡す。

息子には自分の部屋も片付けてもらわねば。

何より我が家の魔窟と言われている私の仕事部屋を何とかしないと。

オーガナイズはまだまだ続く。

次回のミラクルをお楽しみに























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【観劇メモ】さらば! あぶない刑事にヨロシク

2018年03月27日 | 演劇



「さらば! あぶない刑事にヨロシク」
本多劇場

皆川猿時さんと、荒川良々さんがコンビって聞いたら、きっとくだらないんだろうなあ、思いつつ、ついついチケットを買ってしまった。

始まりから、あれ?
岩松了さんの舞台を観ている体で進んでいき、そこに遅れてきた迷惑な客として、お二人が客席から登場。
席が無いとお客さんを立たせて座っちゃったり、全員起立❗と椅子の下を捜索したり、全員参加型だ。

座席には



こんなセットが置いてあって、指示があったらパッと使う。
例えば、発砲シーンでクラッカーを鳴らすとか🎉

柴田恭兵さんと舘ひろしさんの「あぶない刑事」をリスペクトしてるのに、舘ひろしさんがハズキルーペのCMに出たのがショック、とか、クスッと笑える台詞が散りばめられている。
ドラマをリアルタイムで見ていた私たち世代にはとっても楽しい。

これと言った感動もなく、ただただふざけてるって感じだけど、とにかく楽しくて、あっという間に時間がすぎた。
大人が真剣にふざけるって心地いい。

この日お付き合いいただいたのは、2013年戯曲セミナーのお仲間。
劇場のある下北沢に詳しくて、前回も美味しいお店に連れていってくれた。
今回も、ランチのお店を色々巡って、最終的に劇場近くの台湾料理に落ち着いた。
台湾料理ってはじめて食べたけど、とっても美味しい❗
彼女とは、来月も下北沢で観劇予定。
次回も昼間の公演なので、今からランチが楽しみだ。

今月は、大笑いする舞台が多かった気がする。
免疫力が上がって、長生きできるかもしれない。

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3月に思うこと

2018年03月20日 | 事件
日本中を震撼させた、23年前の事件のあの日のことを忘れることはできない。

あの日、私は風邪で熱を出していた。
幼い長男も同じく熱を出し、病院に行かなければならなかったのだが、この時私のお腹には次男がいて、長男は小児科、私は産婦人科に行かねばならなかった。
やむなく、夫は午前中だけ休みをとって、私を産婦人科に送り、長男を小児科に連れていってくれた。

長男の診察が終わり、私を迎えに来てくれた夫は、病院から会社に電話をする。

「これから行きます」

会社の人に「テレビ見てないの?来られる状態じゃないよ」と言われた夫は、待合室のテレビに向かう。

そう言えばテレビの前はいつになくスゴい人だかり。
この時すでに10時を回っていたが、私たちは何も知らずにいたのだ。

状況を飲み込んで、背筋が凍った。

当時夫は、被害にあった地下鉄日比谷線を通勤に使っていたからだ。

もしも、私たちが風邪など引かずにいたら、そして、普通通りに通勤していたら・・・

あの日、被害にあった方々とそうでなかった人たちの運命を分けたのは、積み重なった偶然だったと思う。
誰が被害にあってもおかしくなかった。

人の命を軽んじた人達の手によって引き起こされたこの恐ろしい災難で失われた命を思うと、今も苦しくなる。

また、3月には、人間の力では到底あらがうことのできない、未曽有の自然災害もあった。

東日本大震災の年は長男、次男ともにそれぞれ高校、中学を卒業し、そろって入学式を迎える節目の年だった。

23年前、幼かった長男は社会人に、あの年に生まれた次男は大学生として、毎日を生きている。

寒い冬が終わり、暖かな春と、新しい生活が始まろうとする3月。

我が家にとっては、命の大切さを改めてかみしめる月でもある。



コメント (2)
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【観劇メモ】江戸は燃えているか!

2018年03月19日 | 演劇



「江戸は燃えているか!」
脚本・演出 三谷幸喜
新橋演舞場

正しい喜劇を観た❗って気がする。

コテコテのシチュエーションコメディだ。

古くは「奥様は魔女」的な、はたまたドリフターズの「8時だよ❗全員集合」の前半のコントのような。(古い)

状況を飲み込んでない人や、今出てきちゃいけない人が出て来てやっちゃいけないことをしたり、言っちゃいけないことを言う、そして回りが必死でごまかそうとする、あれだ。

事件は深刻。
だって、江戸城無血開城に至る直前のお話だから。
江戸幕府が終わろうとしてるっていうのに、このおちゃらけぶりったら。
もちろん、お芝居の中の人たちは、なんとか戦わない方向に持っていこうと必死なのだけれど。

中村獅童さんが演じる勝海舟が、しょうもないチキンな男。
女の子の後ばかり追いかけ回し、西郷隆盛がお忍びで会いにくるのに、ビビって逃げ回る。

やむ終えず身代わりにされたのが松岡昌宏さんが演じる植木職人。
横顔が似てる、というだけで、横向きで西郷隆盛と話続け、なんとか将軍の身柄拘束を撤回させる。

そこに事情を知らない人たちが次々ととあらわれて、ひっかきまわす。
嘘が嘘をよんで、なんとかその場は取り繕うが、こんどは本物の勝海舟に偽物の西郷隆盛を会わせなければならなくなり・・・。

とにかくテンポがよくて、わかっていても笑えちゃうのは脚本演出はもちろんのこと、役者さんたちの演技によるものが大きいと思う。

中でも、もと女子アナの八木亜希子さんが演じる海舟の妻が最高❗
ここぞと言うときにあらわれてかき回してくれる。
そしてとってもキュート💕

お笑い芸人、ずんの飯尾さんもいい味を出していた。なんだか不思議なオーラがある。

TVでも真面目な役が多い田中圭さんは、やっぱり真面目だけど、きちんとしたことを言えば言うほど可笑しい。

残念だったのは、席が花道の上の2階席だったこと。



花道の様子が小さなモニターでしか観ることができず、もったいない気がした。
演舞場に限ってはあそこの席はもはや無い方がいいのでは、とさえ思ってしまう残念さ。

演舞場の観劇はちょっと贅沢。
途中、30分のお食事タイムがあるので、お弁当を買って席でいただく。
今回は、お付き合いしてくれた大学の友人と一緒に、演舞場前のお弁当屋さんで、あらかじめ買っておいた。
とりわけ豪華でもないけれど、ちょっと優雅な気分になれる。
安上がりな私たち。

終演時間が比較的早かったので、有楽町までぶらぶらと歩き、友人の電車の時間まで駅前でちょっとお茶とケーキを。

最近、月イチペースでお付き合いいただいている。
楽しい💕

来月も一緒に観劇の予定。
また、よろしくお願いします❗






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