先日、およそ20年ぶりに、日暮里の駅に降り立ちました。
きっかけは友人からの電話。
「よしとみさんが今もあったわよ」
友人と私は20年ほど前、日暮里にある設計事務所に籍をおいていました。
当時、彼女(友人)はファッションデザイナーでしたが、
インテリアの仕事をしたいと、事務所の門をたたいたのでした。
「よしとみ」さんはママさんのふるさと、長崎のしっぽく料理のお店です。
私にとってはお店の設計は2店舗目。
(1店舗目は所長といっしょにやらせていただきました)
彼女にとってはデビュー作でした。
時はバブル後期。
よしとみさんのマスターもママさんも、
そして私たち事務所スタッフも、
いっしょにいいお店を作り上げようと一生懸命でした。
看板の筆文字は私が書かせていただきました。
私のような素人が書いた文字を気に入ってくださり、今も同じ文字を新しい布にプリントしてくださっていて、感激しました。
ショーウィンドウの下部に貼った銅板は、当時はピカピカでしたが、味のある渋い色に変わっていました。
割りばしの袋やメニューのデザインなどは友人が担当。
細部にまでこだわって手作り感いっぱいの思いのこもった
お店ができあがりました。
20年の時を超えて、日暮里の駅前はすっかりおしゃれな街並みに。
昔ながらの駄菓子問屋もなくなっていました。
でも、よしとみさんは、ほぼそのままの姿で営業していました。
この2枚の写真は20年前のものですが、
大きなテーブルがなくなったのと、
看板の布が新しくなっていたくらい。
マスターもママさんも同じ笑顔で迎えてくださいました。
とろけるような豚の角煮も皿うどんも同じ美味しさ
あのときの事務所はもう日暮里にはなく、
友人はもう一度ファッションデザイナーとしてがんばっており、
私は妹と二人だけの設計事務所で、
細々と設計の仕事を続けています。
20年ぶりの再会を喜び、これからもがんばろう、
とお互いにエールを送って別れました。
思えば、よしとみさんは私の店舗設計の原点です。
ありがとう、よしとみさん。
これからも、お二人仲良くお元気で