不要不急の外出は・・・
といろいろなところで呼びかけているので、どうしようかな~とちょっと悩んだけれど
公演の中止や払い戻しのアナウンスが無いので思い切って出かけて行く。
パルシステム(生協)でチケットを売り出しているのを見て、あまりの懐かしさに思わず買ってしまった。
その時はまだこんな状況じゃなかったのに・・・。
手の消毒、検温、自分でチケットを切る・・・の流れは最近のスタンダード。
席は前後左右が空いている。
来生たかおさんがゆっくりと登場して、アカペラで歌い始めたのは
「とめどなく」
ああやっぱり年を重ねたな~
プログラムがあったかどうか、買いそびれたので、ネットで検索したら、セットリストが出ていた。
1 とめどなく
2 不意の出来事
3 さまよう言葉
4 あしたの風
5 針の雨
6 愛する時間に
7 片隅にひとり
8 思い出の時差
9 赤毛の隣人
10 セカンド・ラブ
11 すべて霧の中
12 試練
13 楽園のDoor
14 Goodbye day
15 浅い夢
16 星のくちびる
〜アンコール〜
17 Made in Xmas
18 学生時代(昭和歌謡)
19 二人だけ(昭和歌謡)
20 夢の途中
聞いていると、薬師丸ひろ子さんや高橋真梨子さん、中森明菜さんなどの若き日の顔が浮かんでくる。
来生たかおさん、来生えつこさんコンビの歌はとにかく美しい、と思う。
メロディーもきれいだし、歌詞は情景が目に浮かぶ。
そこに自分の思い出もシンクロしたりする。
全体的に似たような感じっていうのも否めないけれど、それでもやっぱり美しくて癒される。
実は、この日とその前日、息子が仕事で早く家を出なければならず、一緒に5時起きだったので、完全な睡眠不足。
来生さんの静かな楽曲を聞いたら爆睡するのではないか、と自分に自信がなかった。
けれど、歌詞をじっくりと聞いちゃうので不思議と眠くならなかった。
自分でもびっくり。
自分が年をとったからか、最近の歌は横文字が多いこともあり、脳にも心にもなかなか入ってこない。
その点、昭和歌謡(来生さんは歌謡じゃないかも)は歌詞をじっくりとかみしめられる。
当時はなんだかよくわからなかった歌も、いま聞くと「深いな~」としみじみ思ったりする。
私たちの親の世代が、懐メロを聞いていたのと同じことなのかもしれない。
「夢の途中」は絶対聞きたいと思っていたのに、歌わないまま終わってしまったのでちょっとがっかりしていたらアンコールの最後だった。
大満足でオーチャードホールを後にする。
それにしても、当然のことだけれど私も含めて観客の年齢層が高い。
出歩いてはいけない年齢の人たちかも。
だからこそ、座席から立ち上がることもなく、大声を出すこともなく、落ち着いてゆったりとした気持ちで歌を聴くことができた。
このところ心がカサついていたけれど癒されました。
コンサートなどに出かけるのがちょっと後ろめたい気がする今日この頃。
コンサートや演劇などのエンタメは観客側からは不要不急かもしれないが、関係者の皆さんにとっては生きる糧だ。
飲食やエンタメなど何かの業種に責任を押し付けるだけではなく、お互いに支え合っていく方法はないのだろうか。
クリスマスの朝、昭和を代表する作詞家と作曲家、中村泰士さんとなかにし礼さんのお二人の訃報を聞いた。
来生さんにはこれからも美しい楽曲を作って聞かせていただきたい、と切に願う。