ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

文楽庚申

2018年02月27日 | 演劇



「心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)」
国立劇場

文楽が好きな同級生に誘われて、一昨年初めて文楽を観て想像以上の面白さに度肝を抜かれた。

で、その友人から再度お誘いが。
もちろん行きますとも。

この日は、一日に3回の公演があり、それぞれ演目が違う。
私たちが観るのは第一部「心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)」
上田村の段
八百屋の段
道行思ひの短夜

「心中モノ」と呼ばれるらしい。

ちなみに前回観たのは忠臣蔵だった。

初心者の私は、まずプログラムを買い、イヤホンガイドをレンタルする。
この同時通訳的なイヤホンガイドがあると、初心者でも十分楽しめる。
歌舞伎の時も欠かせないアイテムだ。

内容は・・・全国の「嫁」といわれる人たちを敵に回しそうな かなり悲惨な話である。

八百屋の跡継ぎにと迎え入れられた元武士のところへ嫁いだ妻が、夫の留守中に姑に離縁され、実家に帰される。
お腹に子供がいるにもかかわらず、だ。

そこへ、何も知らない旅の帰りの夫が、妻の実家に挨拶に立ち寄ったら、嘆き悲しむ妻がいるからびっくり!
妻の姉にもものすごく冷たくあしらわれるが、事情を知らない夫は、オロオロするばかり。

事の次第を理解した夫は妻を愛しているので、到底納得できず、こっそりと家の近くに連れ戻るが、養子にしてくれた母への恩義で逆らえず、
離縁したことにして二人でおち合い、この世で結ばれないなら、と二人で自らの命を絶つ・・・。

何かほかに方法はなかったのか!と思わず夫に突っ込みを入れたくなるほどの情けなさ。
そもそもお姑さんは彼女の何が一体気に入らないのか最後までわからない。

それにしても、人形の動きのリアルなこと。
機を織っているときの指先のしなやかさ。
心中するときの抱き合う二人のつやっぽさとなまめかしさ。
表情のない面に感情が現れ、まるで人間に見えてくる。

横で唄う、太夫の表情の豊かさ、声色の面白さ。
三味線の迫力。

両端の上部に流れる字幕を読み、表情・声色の豊かな太夫を見ながら三味線の音色を聞き、
舞台の上の人形たちの柔らかなしなやかな動きを見る。

ああ忙しい!

途中30分のお食事タイムを挟んで、軽くサンドイッチをつまみ、お腹も膨れるけれど、とても眠くなってる暇なんてない。

あっという間の2時間ちょっと。

あ~面白かった!

いつも誘ってくれる友達に感謝感謝!

終演後、近くのカフェで、遅めのランチをいただき、怒涛のおしゃべり。

前の週に同級生の集まりがあったのだけれど、その日彼女は来られなかったので、その時の報告もある。

また行こうね、と約束をして、夕飯の支度に間に合うように解散。

最近すっかり体が硬くなって、私より人形のほうがよっぽどしなやかに動いてるなあ~なんて、
駅の階段をぎくしゃくと降りながら考える。

そう、このところ、腰やら股関節やらあちこちが痛い。

帰ったらストレッチでもしよう、などと思いながら家に帰るのでした。














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【観劇メモ】ムサシ

2018年02月25日 | 演劇


「ムサシ」
作 井上ひさし
演出 蜷川幸雄
シアターコクーン

土日のチケットがとれなくて、生協にでていた平日昼間のチケットをゲットして、一人劇場へと向かう。

故蜷川幸雄さんの3回忌追悼公演としてよみがえった今回の舞台だが、蜷川氏がご存命の時の上演は観ていない。
2014年の上演時に、武蔵役の藤原竜也さんがムサシと同じ35歳になったら再演しようと約束した当時のメンバーが欠けることなく勢ぞろいした、とのこと。

巌流島での決闘で、遅刻した武蔵にイラついて一瞬で負けてしまった小次郎。

実は手当を受けて、生き残り、6年たって復讐しようと武蔵が3日間禅の修行をする寺に現れる。

端正なお顔で思い込みの強いちょっと情けない溝端淳平さんの小次郎がとってもキュート。
住職の説得でとりあえず3日間の修行に参加することになっちゃう。

この間に一緒に修行に励む面々がなんとか決闘を止めようと画策する。

でも、この人たちは実は・・・

巌流島のシーンから、お寺のシーンに変わるとき、たくさんの木々がサワサワと動き出す。
木々の間を自分が走り抜けているような錯覚に陥る。
山道を走り抜けた先に、パーっと視界が開けてお寺が現れる。
これは、小次郎の目線なのかなあ、などと思ったりする。

ちょっと冷めた感じでイヤイヤ修行をしてるかのような藤原クンのムサシがくすっと笑える。

並んで修行する、吉田鋼太郎さんや白石加代子さんの存在感がハンパじゃない。
そこそこ存在感がある鈴木杏さんが、普通の人に見える。

さすがは井上ひさしさんの脚本だけあって、随所に笑いを散りばめながら、命の大切さをしっかりと伝えている。

意地とかプライドなどのために命をかけてはいけない。
とにかく、すべては命があってのことなのだ、と。

かくいう私も 昔何かで目にした
「死ぬこと以外はかすり傷」
と言う言葉を座右の銘にしている。

蜷川氏がご存命のときに、この舞台を観ておかなかったことが悔やまれる。

このところ、著名な方々の訃報が続いている。
残念なことだ。
私だって「いつか」を待ってられない年齢だ。

当たり前のことだけど、今できることやしたいことを後回しにしないで、一つずつ、こなしていかねば。

今回の素晴らしい舞台で残念なことがひとつ。
舞台終盤、シリアスなシーンで、後ろの席の人の電話の呼び出し音が鳴った。
それも、ちょっとおちゃらけている。
彼は休憩時間、連れの女性にそれは得意気に演劇について語っていたにもかかわらず、基本的なマナーも守れない。
残念な人だ。

みなさん、マナーを守って観劇しましょうね❗


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【観劇メモ】髑髏城の七人 月

2018年02月22日 | 演劇


「髑髏城の七人 月」
劇団☆新感線
IHIステージアラウンド東京

昨年3月にオープンしたこの劇場は、築地市場移転問題で有名になった豊洲にある。
それも、移転予定の市場の目の前。
駅名も、ゆりかもめ「市場前」

こけら落としは「髑髏城の七人 花」

この後、髑髏城の七人は、鳥、風、月と続いていく。

これまでのシーズンは、ちょっとモタモタしていたら、すぐに完売になってしまい見られなかった。
今回の「月」でやっと行くことができた。

劇場の周りには何もない。
例によって、ちょっと遠くから来てくれる大学時代の友人とランチをしようと思ったが、何もないので、2つ先の豊洲駅で軽く済ませて劇場へ。



この劇場の大きな特徴は客席が360度回転するってこと。


(Live Walkerより)

プロジェクションマッピングの画面とともに座席が動くと、ちょっと酔いそう

毎回、キャストや演出が違うらしい。

今回のキャストはこちら。



時代背景は、本能寺の変で信長が倒された直後の混乱の世の中。

本能寺でのどさくさにまぎれ、信長の鎧を勝手に自分のモノにして、天下をとろうと目論む、残虐な謎の悪者天魔王。

天魔王が潜む髑髏城に忍び込み、戦いを挑む7人。

友情、純愛、裏切り、冒険、お笑い、感動、となんでもありだ。

客席をぐるりと囲む舞台で、場面が変わるごとに、舞台ではなく観客席が回る。

演劇と言うよりは、ストーリー性の強いショーと言った感じだろうか。

福祉蒼太クンが演じる捨之介の立ち姿の美しいこと

のっけから、天魔王役の早乙女太一くんのスピードのある、キレッキレの殺陣に悪者だってことを忘れて圧倒される。

森蘭丸役の三浦翔平君は、これまたキレッキレの殺陣の合間に翻る衣装のヒラヒラ具合まで美しい。

ちょっととぼけた渡辺いっけいさんが、まさかの家康で、終盤威厳を漂わせる。

コミカルな役でお見受けすることが多い(私が観るときは)高田聖子さんが、悲哀をまとう男前の太夫を美しく演じている。

今でいうところのヤンキーグループのリーダーでやたらと人望のある兵庫を演じるのは子役の頃から大活躍の須賀健太君。
大きくなったなあ~。

ストーリーがどうこう、とか、セリフが何て言ってるかよくわかんない時があったり、とかそういうことが、もうどうでもよくなる、勢いのあるショーだ。

劇場へのアクセスがちょっとなぁ、チケット代も高いし、と躊躇している間に、チケットが完売してしまい、これまでのシーズンを見逃したことが悔やまれる。

で、次のシーズン「極」は既にチケットをゲットしている。
5月に北海道から上京する友人と行く予定。

それにしても、劇場の周囲が寂しすぎる。
移転されないままの市場の建物だけが、どかーんと大きく寂しくそこにある。

遠い世界にいるなにやら上の方の人たちの、利権や思惑のおかげで、今を必死に生きている人たちの人生が弄ばれている。

どうして、いつもこんなことになってしまうのだろう。

劇場から駅に向かって流れていく物凄い数の人たちと、警備の人の姿しか見えない劇場の何倍もの広さの静まりかえった市場との対比がなんだか物悲しい。

そして私はそびえ立つ豊洲あたりのタワーマンションを見上げながら、ちょっとだけ翳りのある興奮のまま家に帰り、ビミョーな高層マンションが建ち並ぶ新浦安のイオンに夕食の買い物に出かけて、食材をかごに入れながら現実に戻っていくのでした














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宮内庁新浜鴨場見学会

2018年02月18日 | イベント



我が家から2km弱のところに、宮内庁の新浜鴨場(しんはまかもば)、という施設がある。

周りは木で覆われていて中がどうなっているのかわからない。
その外側に野鳥の楽園っていうのもあって、どこまで何なのかよくわからない謎の場所だ。

皇太子様が雅子さまと結婚前にここでデートした、ってことで、一時期ちょっと有名になった。

普段は一般公開されてないのだが、年に数回、市の広報に見学希望者の募集記事が載り、市内在住の人が往復葉書で申し込んで当選すれば中に入れることとなる。

特に皇室に興味は無いのだけれど、入れない場所ってのに興味津々で応募してみたら当たった

あらかじめ参加者の名前を4人まで書かないといけないので、義母、私の母、夫と私の4人を書いてみた。
当たると思わなかったので事前の了承は得ていなかったから、聞いてみたら全員快諾。

当日は、市役所の支所の前に集合し、そこからバスで鴨場へ。
もう一つの集合場所から乗ってる人たちもいて、全部で30人くらいだろうか。

バスで5分も走ればもう到着。
住宅街の細い道の先に入口が。
こんなところから入るのね。

宮内庁の職員の方のお出迎えを受け、鴨場についての説明VTRを見る。
VTRは画像も音声も相当古い・・・。

記念の写真撮影はOKだけど、SNSへの投稿はNG、という注意を受ける。
残念💦

その後、職員の方の案内で、敷地内を歩き始める。

なんでも池だけで4000坪もあるらしい。

この時期、野生のカモが飛来してきていて、前日まで狩猟が解禁されていたとのこと。
総理大臣とか海外の要人とか議員さんとか、いわゆるおエライさんが招待されて、接待狩猟がおこなわれるらしい。

本溜まりと言われる大きな池から何本かの堀がひかれていて、おとりのアヒルを使って鴨を誘導する。
そこへ、大きな網を持ったおエライさんたちがいきなり顔を出すと、鴨がびっくりして飛び立つのでそこに網をかぶせて捕獲する。
アヒルは飛べないので、鴨だけが網に入る、というわけだ。

捕獲した鴨には足にナンバーが刻印された足環をつけて放すとのこと。

食べるのかと思った・・・

狩猟の後、昼食がふるまわれるらしいが、この時に食する鴨は、合鴨で野生の鴨ではない、と私の心を見透かしたかのような補足説明もあった。

会食のための食堂は、失礼ながらちょっとボロい・・・。
よく言えばレトロ。震災の時よく大丈夫だったな、と感心する。

職員の方によれば、予算がここまで回ってこない、とのこと。

狩猟はしないまでも、堀に鴨を引き寄せるところまでは見せてくださる、という。

条件反射を利用して、餌の係の方が、まず板を木槌でカンカン叩いて音をたてる。
そうすると、餌が貰える、としつけられたアヒルが堀に入ってくる。
そこにカンカンしてた係さんが餌を持ってダッシュして、堀に餌をまく。
このとき、係さんの姿は見えないようになっている。

アヒルについていけば安全に餌が食べられる、と学習した鴨がそれに続いて堀にはいる。
その様子を見るために、私たちは1円玉の大きさもない小さな穴から順番に覗く。

鴨の天敵は鷹と人間、と職員の方はおっしゃる。
人の気配を感じると鴨は逃げてしまうので、通路の両側は背よりも高い笹で覆われている。
笹の葉が風で揺れる音で足音を消すとのこと。

それにしても、板をカンカンする人と、餌を撒く人は同じじゃないといけないんですか?
と聞いてみたところ、なんせ職員が5人しかいないので、とのお答え。

鴨の習性とか、難しい理由があるのかと思ったら、単なる人手不足だったとは。
ちなみに今の係のお兄さんはお陰で痩せました、とおっしゃっていた。

新宿御苑みたいに入場料をとって、一般に公開すればいいのに、なんて思っていたが、これほどデリケートに鴨を守っているのなら、公開なんてできないよなぁ、と納得。

鴨場に関しては、宮内庁のベールに包まれすぎて、地元の人たちも一体何をしている場所なのか、わからないままだ。
鴨場から数百メートルのところにJR京葉線の駅があるのだけれど、鴨場のせいで、駅の周りが発展しない、と昔から住んでる地元の人たちが言うのをよく耳にする。

考えてみれば、隣接する野鳥の楽園も加えれば、都心近くにこれほど広大な自然が存在するってことは貴重なことだと思う。

宮内庁の方たちは、詳しくはホームページで、というのではなく、地元の人たちにもう少し施設の役割をアナウンスして、周囲の理解を深める努力をしてもいいのではないかと思う。

日頃、テレビで記者会見などしている宮内庁の偉い方たちは、なんだか上からの感じがするけれど(個人的な感想です)、鴨場の職員のみなさんは、とてもフレンドリーで、私のどんなくだらない質問にも一つ一つ丁寧に答えてくださり、楽しく気持ちよく見学ができた。

いただいたパンフレットを見ると、宮内庁管轄の色んな施設で見学を受け付けている。

私にとっては謎だらけの宮内庁がほんのちょっとだけ、近づいた気がする
貴重な一日だった。
鴨場の職員のみなさん、ありがとうございました






















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テーブルウェア・フェスティバル

2018年02月12日 | イベント

「続・時をかける少女」を観たその足で、私達は東京ドームに向かう。

テーブルウェア・フェスティバルを見るためだ。

昨年は同時開催の石川県のフェアで、まさかの泥棒扱いをされてしまい、ちょっとトラウマだったが、今回はそちらではなく、メイン会場。

テーブルコーディネートのコンテストをやっていたり、有名人がコーディネートしたコーナーがあったり、ブランドごとの展示もある。

それを取り囲むように、焼き物や、名産品などの販売コーナーもある。

入ってすぐに黒柳徹子さんと、ビーズ作家の田川啓二さんの展示がある。
その近くの特設ステージでたまたまお二人がトークショーをやっていた。





好き嫌いは別として、着物に施されたビーズ刺繍がすばらしい。

食器は黒柳さんの物らしいが、派手な柄だけど品がある。
自分ではきっと選ばないけど、というか選べないけど、素敵だなあ、と思う。

高価な洋食器はもともとあまり興味がないので、なんとなく焼き物や、漆器、硝子のコーナーに足が向いてしまう。

ガーデニングとのコラボみたいなのもあって



食器を買う前に、ポインセチアなんて買ってしまう。



書道家の紫舟さんの展示はこれ



文字がモビールみたいになっていて、動き出しそうだ。

そのほかにも、素敵なコーディネートがいろいろ。



















大きなお皿や中くらいの鉢とかどんぶりとか、見てるといろいろほしくなるけど、
現在私はキッチンを片付け中。
ここで食器を増やすわけにはいかない。

でも、小物なら・・・



お値段がお手頃な波佐見焼の箸置きにもなる小皿とドングリの箸置き
公超齋小菅(こうちょうさいこすが)の竹のピックとジャムスプーン
石川県の木のコースター。

ドングリはお花を飾った時にわきに置こう。



さすがに疲れて、会場内に設置されているカフェでちょっと休憩して、6時ごろ会場を後にする。

なんだか、盛りだくさんの一日だった。

私一人なら舞台を観たらどこにも寄らずにまっすぐ帰ってくるけれど、
彼女と一緒だと、どこでどんなイベントをやっているか、ちゃんと調べてきてくれるので、
一日が有効に使える。

しかも彼女は、焼き物や漆器にとても詳しくて、食器の文様の意味など、さまざまなことをしっかり解説してくれるので、普通にみるよりとてもおもしろい。
感謝感謝

このイベントは毎年この時期ドームで開催されている。
今日は、ちょっと遅い時間から行ったので、ちゃんと見られていないところもあったに違いない。

来年はちゃんと午前中から行ってみたい。
もちろん彼女の解説付きでお願いします。









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