ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】こんばんは父さん(二兎社)

2025年02月09日 | 演劇

「こんばんは父さん」二兎社

作・演出 永井愛

2024/12/19 俳優座劇場

永井愛さんの作品が好き。

社会のどこかで起こっている、見過ごせないことを、

声高に糾弾するのではなく、淡々と、ユーモラスに描いて、

それでいてなんだか心にジワ~っと沁みる。

永井さんの公演は

東京芸術劇場の地下の劇場で公演されることが多かった気がするが、

この公演は六本木にある俳優座劇場。

今回の出演者は3人。

破産して行方をくらましていた町工場の経営者、風間杜夫さん。

投資詐欺にあい、エリート社員から転落して一家離散した息子が萩原聖人さん。

風間さんが借金をしている闇金業者が堅山隼太さん。

廃墟となった工場に風間さんが入ってくるところからはじまる。

梁には首を吊るかのような輪になった縄がぶら下がる。

その後を闇金が追ってきて、業を煮やして息子に電話する、と電話の音は工場の二階から聞こえる。

一流会社のエリートだったはずの息子が、何かやらかしたらしくうらぶれて潜んでいた。

町工場の腕のいい技術者でもあった父は、

日本経済を支えてきたという自負があり、プライドを捨てきれず、

家族を捨てたことを悪びれることもない。

父の理想を背負い、屈折して、道を踏み外す息子は父を憎み、

残されたまま逝ってしまった母を慈しみ憐れむ。

優しすぎる闇金は、組織への忠誠と恐怖でそこから抜けだせずにいて、

上からの指示どおりのきびしい取りたてが出来ずに右往左往。

3人とも善人なのにどうにもうまくいかない感じが切ないし、滑稽だし、残酷だ。

風間さん演じる父親は、調子に乗りやすくて、無責任発言を連発。

むかつくけれど憎めない。

根底では家族を愛しているけど、

現実から自分だけ逃げ出してしまった情けない感じがにじみ出ていて、

もうここから人生を挽回できないであろう悲哀を感じる。

個人的には闇金業者役の堅山さんがなんだかよかった。

ヤバい仕事に身を落としているのに、

人が良くて面倒見がよくて一生懸命な感じがとても自然だったし、

何ともユーモラスで救われる。

息子の萩原さんは、かわいそうだけどダメダメな感じが、

ああこういう人いるな~、とリアリティがある。

舞台上にはいなかったけれど、全部背負って早逝してしまった、

思い出として語られるお母さんが一番お気の毒。

だいたいこういうことって世の中のお母さんが背負ってる気がする。

それは決して美談ではないし、美談にしてはいけない。

かくいう我が家も、工務店を経営していた父親が

同じようなことをやらかして、姿を消していたことがある。

逃げたほうにも言い分はあるだろうし、苦悩はあったかもしれないが、

すべてを押し付けられ、すべてを失った家族はたまったものじゃない。

こういう話の最後は、この舞台上でもそうだし、テレビドラマでも何となくハッピーエンドになるけれど、

現実ではそうそう逃げた相手を理解して許してハッピーエンドにはなれない気がする。

そのあたりにちょっと違和感はあったけれど、

こういう現実がごろごろしていることを

淡々と伝える永井さんの舞台は、やっぱり面白い。

実はこの作品を2012年にも一度観ている。

私が初めて永井さんの舞台を観たのがこの作品だ。

【観劇メモ】こんばんは、父さん ~世田谷パブリックシアター~ - ゆるゆるらいふ

この時のお父さんは故平幹二朗さん。

大物過ぎる!

息子が佐々木蔵之介さんで

闇金業者が溝端淳平さん

この時もハッピーエンドに違和感を覚えていた

この時から12年余りがすぎ、

景気はあまりよくなっている気がしない。

これからの未来に

再生の希望は見いだせるのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日いち-2025年2月4日

2025年02月04日 | おでかけ
学びの仲間たちと楽しい食事会のあと、お店の近くにある富岡八幡宮に連れて行ってもらいました。
考えてみれば、ちゃんと初詣に行ってなかった‼️
思いがけない夜のお散歩になりました。みなさん、ありがとう💕
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日いち-2025年2月3日

2025年02月03日 | ガーデニング
立春の朝、クリスマスローズが咲いてました。
春はもうすぐ💕
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

節分の夜は・・・

2025年02月02日 | 季節

今日は節分。

 

夕方、夫と息子と買い物に出かけたときに、

ショッピングセンターの真ん中のイベントスペースが

ほぼ恵方巻売り場になっているのを見て、息子がつぶやく。

恵方巻っていつごろからこんなことになっちゃったんだろうね、と。

 

たしかに、今は社会人になっている息子たちが小さいころには

関東ではこんなことにはなっていなかった気がする。

 

でも、日々食事を作っている身とすれば、

恵方巻を買ってきて済ませられるなら、

ラクでいいかも。

 

本来ならば長いままの恵方巻を、恵方を向いてかぶりつくらしいけれど、

いろんな種類が食べたい、と言うことで、

ショッピングセンター内のいくつかのお惣菜やさんで1本ずつ買って、

食べやすく切り分けちゃう。

 

 

 

恵方巻を食べる前には豆まきを。

我が家は毎年これを蒔く。

小分けの袋に入った豆菓子達。

 

まいた後の回収が簡単で、散らからない。

食べるのもいろんな味が楽しい。

 

例年、夫と次男が豆をぶつけ合って戦っているのを横目に、

長男が黙々と各部屋を回ってまいている。

 

いい大人がバタバタしているのもどうかと思うけど、

まあこれはこれで楽しいからよしとしよう。

 

それにしても、あんなに大量の恵方巻が全部売れるわけがない。

残ったものたちは、どうなるんだろう。

海鮮系は生ものだから日持ちもしなさそうだし・・・

 

と、恵方巻の特設コーナーを通りながら、

毎年同じことを思うのでした。

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする