人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

入院見舞い

2022-01-11 05:00:00 | Weblog

私の会社員生活は41年間だ。
そのうち12年間が営業だった。営業を経験させてもらったことは、
いろいろな意味で勉強になった(この歳になると、すべてに感謝
だ)。


もう30年以上前になるかしらん、営業時代、Tさんという、やや
気難しいお客さまがおられた。

その方が腰を痛めて入院されたというので、横浜の病院へお見舞
いに行った。腰を痛められたのだから、本は読めるかもしれない。
水信(みずのぶ→こちら)で高級メロンと、有隣堂で本を買って
お見舞いに行った。

その時の本が、有隣堂でたまたま縦積みになっていた、津本陽の
『下天は夢か 信長私記』(日本経済新聞社)だ。
お見舞いに伺うと、Tさんは仕事の時と違い、ご機嫌で元気そう
だった。
20分ほど雑談して失礼したが、何を話したか、覚えていない。

退院後、一週間ほどしてゴキゲン伺いに、会社を訪問し、昼食を
ともにした。

会社でお会いする時はいつも気難しい顔をされていたが、その時
はご機嫌よろしく、入院見舞いのお礼を言われ、続けて
「俺は秀吉も家康も嫌いだ。信長は二人とは比べ物にならない天
才だ。だから俺は信長が好きだ」
と言われた。

私は、Tさんが信長が好きだということを事前調査もしておらず、
知らなかった。たまたま有隣堂に積んであった、その本が(私に
は)おもしろそうだと買って持参したに過ぎない。

もしTさんが信長嫌いだったら、どういうことになっただろう。

人によって好き嫌いのある、信長、秀吉、家康の本はお見舞いに
向かないのかも知れない。



津本陽『下天は夢か 信長私記』(日本経済新聞社)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小川先生 | トップ | お正月の音楽番組から »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事